日中首脳「平和と安定に責任」 習氏、20年春に国賓来日

習政権
2019/12/23 20:51 (2019/12/23 21:34更新)
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【北京=宮坂正太郎】安倍晋三首相は23日、中国・北京を訪れ、人民大会堂で習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した。両首脳は日中がアジアや世界の平和と安定に対する責任を共有することで一致。「日中新時代」にふさわしい協力を加速させることで合意した。首相は2020年春の習氏の国賓来日に向けて懸案の前進を求めた。

会談時間はおよそ40分だった。習氏は冒頭「私と安倍首相で緊密な意思疎通を保ち、中日関係を新たな段階に押し上げたい」と表明した。

首相は「日中関係の重要な節目となる来年春の習主席の国賓訪日を極めて重視している」と語った。「日中は地域や世界の平和、安定、繁栄にともに大きな責任を有しており、この責任を果たすという意思を内外に明確に示したい」と話した。

「平和への責任」は、習氏が掲げる「人類運命共同体」と通じる考え方でもある。大きな理念を共有しあうことで中国の前向きな行動を導く狙いが日本側にはある。

首相は警官隊とデモ隊との衝突で混乱が続く香港情勢について「大変憂慮している」と伝えた。新疆ウイグル自治区の人権問題に関し、透明性ある説明を要請した。習氏はいずれも中国の内政問題との認識を示した。

日本人が中国で拘束されている問題への速やかな対応も迫った。沖縄県・尖閣諸島周辺への中国公船の進入などを念頭に、東シナ海の安定なくして真の日中関係の改善はないと自制を求めた。

習氏は広域経済圏構想「一帯一路」や、人工知能(AI)とビッグデータの活用で日本の協力を呼びかけた。

首相は会談後の夕食会で、米中貿易交渉の第1段階の合意を評価するとともに、対話を通じた問題解決を指摘した。改革をさらに進め、公平で公正なビジネス環境の実現に努めるよう要請した。

両首脳は北朝鮮の完全な非核化に向けた連携で一致し、国連安全保障理事会決議の完全な履行が重要との認識で足並みをそろえた。習氏は中国とロシアが提案している制裁緩和への支持も求めた。会談後、日本政府関係者は時期尚早との見解を示した。

20年春の習氏の国賓来日は、中国の国家主席として08年の胡錦濤(フー・ジンタオ)氏以来となる。両政府には日中関係を一段と発展させる契機になるとの期待がある。習氏来日にあわせ、新しい両国関係を定義する「第5の政治文書」をつくることも検討中だ。

日中関係は12年の尖閣国有化後に悪化した。近年は関係改善の動きが加速し、18年5月に李克強(リー・クォーチャン)首相が来日した。安倍首相も18年10月に訪中し、その後も要人往来が続く。両国は首脳級を含む相互訪問を定着させ、2国間関係の安定を目指す。

安倍首相は24日、四川省の成都で開く日中韓首脳会談に参加する。同日午後に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談に臨む。正式な会談は1年3カ月ぶりとなる。25日に中国の李首相と会談し、日中協力の具体策を話し合う。

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