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進む国内定番車の世代交代、トヨタマークXが生産終了

国内自動車メーカーが「定番」や「名車」と位置付ける自動車の世代交代を進めている。トヨタ自動車は23日、12月で生産を終えたセダン「マークX」の生産終了式イベントを、同車種シリーズの主力生産拠点だった元町工場(愛知県豊田市)で開いた。トヨタは社外向けには新車の初生産時のライン公開などはするが、生産終了に伴うのは初めてだ。

「マーク2とマークXは高度経済成長期に車を持つ喜びを感じさせてくれた車だ。心に一生残る車だと思う」。生産終了記念イベントの「THANK YOU! MARKX」で、元町工場の二之夕裕美工場長はこう話した。イベントではマークXや、その前シリーズのマーク2の生産に携わってきた関係者が、仕事とプライベートの両面での同車種の思い出話を披露する場面もあった。

マークXは1968年発売のセダン「マーク2」の後継モデルだ。前身と合わせると50年以上の歴史を持つ名車だ。発売当初は中価格帯で車好きな若者らの支持が厚く、両車種を合わせた累計生産台数は約688万台にのぼる。ただ近年はかつての支持層の高齢化に加えて、セダン離れや多目的スポーツ車(SUV)人気を背景に若者を中心に認知度は下がっていた。

トヨタと同じくファン層の高齢化や、先進安全機能への対応を前に日産自動車三菱自動車、海外メーカーも定番車種の世代交代に踏み切っている。

日産は12月に、1998年から販売を続ける「キューブ」の生産を終了した。広い車室空間や個性的な見た目が特徴で2003年には年間約15万台売れたが、08年のフルモデルチェンジを期に全面改良されていなかった。直近の販売が1万台を下回るなど低迷していたこともあり、車両の安全性能が一部の規制に対応できない見通しで全面改良が必要になったこともあり生産終了を決めた。

トヨタ「マークX」の生産終了イベントで記念写真に納まる元町工場の従業員ら(23日、愛知県豊田市)

三菱自動車も8月に、国内向けのSUV「パジェロ」の生産を終えた。歩行者保護などに伴う投資額と、予想される販売台数が見合わないと判断した。海外メーカーでもフォルクスワーゲン(VW)が7月に、約80年の歴史を持つ小型車「ビートル」の生産を終了した。安全機能の搭載の対応が必要だったが、販売台数が減少しており生産停止を決めた。9月に生産国のメキシコから到着した最後の1台を愛知県の三河港で陸揚げした。

姿を消していくブランドがある一方で、歴史を続けていくブランドもある。トヨタは1966年に発売して、12代目となる「カローラ」を9月にフルモデルチェンジして発売。5ナンバーから3ナンバーにし、スポーツ車風を用意して若者向けを打ち出すなどした。「クラウン」もつながる車の利便性を打ち出す。

アサヒビールの超定番ビール「スーパードライ」同様、カローラや「クラウン」などはおじさん以上の世代のものというイメージがつきまとう。スーパードライも瓶で飲むスタイルなどを提案して若者開拓を急ぐ。ビールだけでなく自動車も所有ニーズや利用目的が変わるなかで、時代に合わせたモデル変更で息の長いブランドをつくりだせるかが課題になる。

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