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大変な時期は長くない 小さな幸せを毎日見つける

森パメラさん

森パメラさんは5人の子どもを育てた
子を育てるということは、次の時代をつくること。どんな価値観をもった人間になるかは、子育てが左右する。でも、一人ひとり個性も成長スピードも違う。もちろん、育てる私たちも。では聞いてみよう。世界をよく知り、がんばって働き、自分らしく伸びやかに生きる女性たちに。子育てで本当に大切なことが見えてくるはずだ。

タレントの森泉さんやモデルの森星(ひかり)さんなど5人の子どもを育て上げた森パメラさん。異国の地での子育てには戸惑いも多かったが、一人ひとり、得意なことを見つけて「褒めまくった」と振り返る。子育ては大変だが、つらい時期はそれほど長くない。乗り切るためには「毎日1つエンジョイすればいい」。そして、小さなことに満足する毎日を積み重ねることが大切と話す。

子育てはサバイバル 座って食事する時間なし

17歳のとき米国で日本のモデルエージェンシーにスカウトされ、日本にやってきました。日米を往復しながら、ハナエモリのショーに出ていました。

20代で結婚・出産してからは100%ママ業です。上の4人は1~2歳違いで出産したので、24時間フルタイムマザー。夫も義母の森ママ(ファッションデザイナーの森英恵氏)も仕事で忙しいし、実母は米国にいます。こちらには友達があまりいなかったのでストレスが募り、よく一人で泣いていました。でも、バタバタだから1日が過ぎるのはとても早く、深く悩む余裕はありません。これが良かったのかも。先のことを深刻に考えていたら、もっと落ち込んでいたかもしれません。

子育て中はよくこどもの城や百貨店の屋上に行った

当然子どもたちはインターナショナルスクールに進ませるものだと思っていたのですが、私立の小学校を受験すると。4人のお受験はクレイジーです。幼稚園が終わってから、小さい2人を両手につないで、大きいおなかで電車に乗り、絵やそろばんのおけいこに通っていました。きっと若いからできたのですね。上の4人から10年くらい離れて5番目の星を産んだときには、もうやる気がでません。保育園に預け、ファッションの仕事を再開しました。

家族写真ではなかなか全員がそろわないと言う(パメラさん提供)

子育てを一言で表現するなら、サバイバルです。家では座って食事をする余裕なんてありません。好き嫌いを考えながら料理を作って出す、の繰り返し。工場の生産ラインって言えるかもしれません。誰かが風邪になれば、ドミノ倒しのように次々と引いていきます。だから病院の常連でしたね。窓口で「きょうは誰ですか?」って尋ねられました。

3番目の泉は2歳の時に、サルモネラが原因で病気になりました。嘔吐(おうと)や下痢を繰り返すので病院に駆け込んでも、風邪と診断されます。「このままだったら死んでしまう」と焦りました。医師に「何かペットを飼っていますか」と聞かれてミドリガメと答えると、ビンゴ。カメが感染源でした。わずか2週間で体重が12キロから9キロになるまで痩せてしまって。4番目の雪を出産したタイミングでしたので、母乳あげながら泉のお見舞いに通いました。

その雪も大けがに遭いました。ある日キッチンにいると、すごい音が聞こえました。あわてて子ども部屋に行くと、2段ベッドから落ちていたのです。普通ならこぶができそうですが、ありません。やがて吐き始めました。検査をすると、頭蓋骨に9センチのヒビが入っていました。子どもが4人なのに、私の手は2本しかありません。息子たちもいろいろありました。毎日のようにトラブルが続いたので、よく神様にお祈りしていました。

自宅の壁を塗ったり、タイルを貼ったりすることが好き

誰にでも大変な時はあるけれど、それは一過性のものだと思います。乗り越えればタフになります。子どもに良くないと思い夫婦げんかは我慢しましたが、故郷に帰りたいと何度も荷造りをしました。おかげで今は引っ越し業ができそうなほどパッキング上手に(笑)。そして、とても強くなりました。

良い日と悪い日の繰り返し 全員元気なら

子育てに奮闘する日々で、家族で出かける外食がパメラさんの楽しみだった。

当時の私は料理があまり得意ではありませんでした。お弁当もひどいものでした。他のお母さんはタコさんウインナーとか頑張っているのに、私ときたらピーナツバター&ジェリーサンドイッチにバナナでおしまい。それでも先生に「フルーツは皮をむいてください」と言われました。でも、バナナですよ!

家族での外食が楽しみだった

子育ては良い日と悪い日の繰り返しです。全員元気でいてくれたら、それだけで良い一日。今もそう思います。だから学校の成績よりも、心の健康を何より意識しました。きちんとあいさつができて、元気で、友達がいれば、それ以上望むことはありません。あとはそれぞれ得意なことを見つけてあげて、褒めました。よくできたことは、「さんざん」褒めます。そうすると、ますます好きになります。逆にそうしないと自信がなくなり、自分を嫌いになってしまうのです。みんなアートが大好きでしたので、今もリビングには幼い頃の作品をたくさん飾っています。

高校生になると、子どもたちは海外の学校に留学しました。一人ひとりにピッタリな学校を探し出して。泉が通ったのは、牧場みたいな学校。牛の乳を搾ってヨーグルトを作ったり、豚を育ててベーコンにしたりするんです。ここでの経験がまさか今役立つとは思っていませんでしたけれど。日本の学校は同じバックグラウンドの人が多いけれど、海外はいろいろな人がいます。それがとても良かったですね。ただ、末っ子の星だけは日本の高校に進みました。「なんで私だけ!」と怒られましたが、孫のようなものですから。

みんなが大きくなり、今が最高に幸せです。しょっちゅう会ってカラオケを楽しみます。たまに大げんかすることもあります。それぞれ個性が強いから、誰かが変なことをいうと「それどういう意味?」って、だんだん感情的になります。でも、最後は必ず仲直りします。しかも24時間以内が原則です。

リビングには子どもたちの写真やアート作品を飾っている

独立して寂しくない?と聞かれることもありますが、私は一人でも楽しめるタイプです。犬のスナックを手作りしたり、ハーブを育てたり。屋上で飼っているウコッケイは毎日卵を産んで、しかも10回に1回は黄身がダブルなんです。もうそれだけで幸せ。屋上の池がキラキラ光ってとてもきれいだったこともありました。なんだろうと思って近づくと、カエルの卵! すごいでしょ。子育て中もそうですが、毎日ひとつ楽しいことがあれば十分です。小さなことに満足できることが大切だと思います。

4人の孫に恵まれました。雪のパートナーはすてきな人で、子どもを抱っこしながら、掃除機をかけながら、スマホを操っています。2人はナイスチームワークです。泉はグッドママですが、料理はやらない。でも夫は料理上手。これからの夫婦は互いにいいところを合わせて、理想的なチームを作っていければいいですね。

(聞き手は女性面編集長 中村奈都子)

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