羽田・成田の整備費3割増、政府20年度予算案

2019/12/20 19:12
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政府は20日、2020年度予算案を発表した。首都圏で目立ったのは訪日外国人を呼び込むための環境整備だ。交通利便性の向上など羽田空港と成田空港のハードの強化などには前年度比3割増の予算を投じる。今年の台風被害を踏まえて河川の水害対策も加速させる。安心して暮らせるまちづくりと首都機能の安定を図る。

20年度予算案では羽田空港につながる鉄道新線の整備などが盛り込まれた(羽田空港)

20年度予算案では羽田空港につながる鉄道新線の整備などが盛り込まれた(羽田空港)

羽田・成田の空港機能強化に1046億円を計上した。羽田ではJR東日本が空港に直接乗り入れる「アクセス新線」を造る計画を進めており、新線が使う地下トンネルを整備する。滑走路がある地盤の液状化を防ぐ耐震化にも取り組む。

成田ではCIQ(税関、出入国管理、検疫)施設を拡充する。また今ある滑走路の延伸と3本目の滑走路の新設が予定されており、低金利の4千億円の財政融資を活用して建設を支援する。完成すれば発着枠は現在の1.7倍になる見込みだ。

政府は訪日外国人数を20年に4千万人、30年に6千万人に増やすことを目指している。玄関口となる空港の受け入れ能力の増強、空港から都心への移動のしやすさは円滑な観光に欠かせない。

空港内の手続き簡素化にも取り組む。羽田と成田では搭乗手続きの「顔パス」のシステムを導入する。チェックイン時に顔写真を撮影してパスポートと照合すれば保安検査場や搭乗ゲートを通る際にパスポートや搭乗券の提示を不要とする仕組みだ。外国人に人気の新宿御苑の整備などと合わせ、19年度比8%増の540億円を充てる。

今年、台風で大規模な水害が起きたことを踏まえ、全国の河川の改修などに5221億円と2%増やす。首都圏では大雨時に荒川の水を一時的にためる調節池群を埼玉県内で整備するほか、荒川・江戸川・多摩川の氾濫リスクを低下させるため堤防を拡幅する高規格化(スーパー堤防)の工事を重点的に進める。

また、砂浜が浸食されて過去に台風で護岸が損壊するなどした西湘海岸(神奈川県)で砂浜を保全する整備を急ぐ。

首都圏の競争力を高めるため、物流網の強化も進める。コンテナ物流の国際戦略港湾に指定されている京浜港(東京・横浜・川崎の3港)などの強化に1%増の446億円を充てる。人工知能(AI)やデータ連携を活用し、生産性向上を図る。

道路網の整備には6%増の3319億円を計上した。財政融資も1兆1200億円と12%増やす。暫定2車線になっている区間の4車線化などに充てる。富津館山道路の富津竹岡インターチェンジ(IC、千葉県富津市)―富浦IC(南房総市)間は国土交通省が優先整備区間に指定している。

22年度に直通運転開始予定の相模鉄道と東急東横線の乗り入れ事業には116億円を計上した。

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