雇用、氷河期世代を支援 20年度予算案

雇用分野では現在30歳代半ば~40歳代半ばの「就職氷河期世代」への支援に199億円計上した。19年度当初予算の56億円から約3.5倍に増やした。ハローワークへの専門窓口の設置や短期間での資格取得支援など、状況に応じた伴走型の支援策を盛り込んだ。
氷河期世代はバブル崩壊などのあおりを受け、企業が新卒採用を大幅に絞った1993~04年に高校や大学を出た。人口も多く、00年の12万人をピークに就職未定の卒業者を大量に出した。就業経験がなかったり、アルバイトなど不安定な就労状態にあったりする人も多く、安定した雇用確保が課題となっている。
全国のハローワークに専門窓口を設置。担当者がチーム制で就職相談や職業紹介、職場への定着まで一体的に相談に応じる。民間企業が氷河期世代の採用に積極的になるよう成果連動型の教育訓練や実習事業にも予算を計上する。業界団体と組み、職場体験や短期の資格取得を通じて正社員就職に直結するような支援策も用意した。
現在引きこもりの状態にある人に対しては社会復帰を促す策も用意。地域支援センターやサポートステーションとの連携を強化し、自宅訪問から就労まで一貫した自立支援をおこなう。
現在フリーターや働いていない氷河期世代がこのまま年金の支給対象から外れて生活保護受給者になれば、社会保障費の増大が懸念されている。支援策を大幅に拡充し、正社員など安定雇用を促す。