福島・富岡町、駅周辺の避難指示を3月10日解除
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東京電力福島第1原子力発電所事故による帰還困難区域が残る福島県富岡町は20日、JR常磐線夜ノ森駅周辺など一部地区の避難指示を2020年3月10日午前6時に解除することで国や県と合意した。政府の原子力災害現地対策本部の松本洋平本部長が富岡町での宮本皓一町長らとの協議後に明らかにした。

宅地などは引き続き立ち入り制限されるが、宮本町長は記者会見で「(3月14日を目標にしている)常磐線開通で訪問者増加を期待している。復興の進展を見てほしい」と述べた。
年間被曝(ひばく)被ばく線量が50ミリシーベルトを超えるとされ、立ち入りが原則禁止となった帰還困難区域の中で避難指示解除の日程が決まったのは初めて。
宮本町長は同駅周辺で有名な桜並木にも触れ、「300メートルしか開放できなかったが、解除で500メートル分増える。町民にも喜ばれる」と話した。松本氏は「除染や自然減衰で放射線量は十分低減しており、解除要件を満たしている」と説明した。
富岡町では17年4月、町の大部分で避難指示が解除された。今回は夜ノ森駅に加え、既に解除されているエリアと同駅をつなぐ道路計約1.1キロが解除される。〔共同〕