20年度の税収、過去最高63.5兆円 消費税が最大に
政府の2020年度当初予算案の税収は63兆5130億円を見込み、税収見通しを下方修正した19年度補正予算と比べて3兆3330億円増える。当初予算としては1992年度の62兆5040億円を超えて過去最高となる。消費税の増税による増収効果が本格化することに加え、20年度の経済見通しで実質国内総生産(GDP)の伸び率を1.4%と見込んだことで、強気の想定となった。

20年度の当初予算案では、税収の柱となる所得税・消費税・法人税の「基幹3税」で首位の交代が起きる。所得税に代わって消費税が初めて最大の税目になる。
税目別の税収をみると消費税は21兆7190億円で、消費増税の効果で19年度補正予算比で2兆6570億円増える。
所得税は19兆5290億円で、給与所得の増加などを背景に4650億円増える。法人税は12兆650億円で、年明け以降の輸出の回復を見込んで3500億円増えるとした。
いずれも強気の想定といえ、年明け以降の世界景気の動向次第では19年度に続いて税収の見通しが下振れするリスクも残る。19年度の当初予算は税収を62兆4950億円と見込んでいたが、米中貿易摩擦の影響などで法人税収に急ブレーキがかかり、補正予算で60兆1800億円に下方修正した。