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首都圏の民間事業者、生活困窮世帯を援助

埼玉県内ではフードパントリーの開設が相次いでいる(埼玉県加須市)

子育て中の貧困世帯への食料支援が民間企業の間で広がっている。ひとり親家庭向けに配布する輸送支援のほか、店舗で余った食料を子ども食堂などに直接提供する。国内では7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされる。各企業は取り組みを通じ、貧困の解消を目指すと同時に、まだ食べられるにもかかわらず廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」の解消にもつなげる。

貨物輸送業の首都圏物流(東京・板橋)は、今秋から、ひとり親家庭などを対象にした食料配布拠点「フードパントリー」向けの食料輸送支援を始めた。埼玉県内各地のパントリーが加盟する「埼玉フードパントリーネットワーク」と連携。午前中や昼間に配達を終えた社員が食料提供元であるNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」の倉庫(埼玉県八潮市)に立ち寄り、県内各地のパントリーや保管場所に食料を無償で輸送する。

フードパントリーは地元企業や家庭などから集めた食品を空き家や倉庫に保管し、生活困窮世帯に食料を提供する事業。日常生活や子育ての悩みも聞き、地域からの孤立を解消する狙いもある。埼玉県内には約10カ所あり、開設が相次いでいる。ただ、運営する市民ボランティアにとって食料の輸送が負担になる。

首都圏物流は普段の配送業務で県内をくまなく走るが、地域住民と運転手の交流はほとんどないという。同社の駒形友章社長は「社員が仕事の意義を感じられる機会をつくりたい。パントリーを手伝う住民や子どもたちからお礼を言われるとモチベーションにつながる」と話す。

首都圏物流はフードパントリー向け食材を無償で各地に輸送している(さいたま市)

国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の主要な取り組みの一つ、食品ロス対策に支援を通じて取り組む企業もある。

横浜市では日本KFCホールディングスが店舗で余ったケンタッキーフライドチキンを子ども食堂に提供し始めた。11月の「港南台こども食堂 みんなのカフェ」(同市)では、主力の「オリジナルチキン」40本がカレースープの具材に活用された。同社は「地域と店舗をつなぐ機会」(担当者)と捉えており、今後、提供店舗を増やすことを検討する。

IKEA新三郷(埼玉県三郷市)もレストランで余った食品を子ども食堂やフードパントリーで使ってもらっている。今秋には子ども食堂の運営者ら向けに「子どもの食育と居場所」をテーマにイベントを埼玉県と開き、同店の食品を使ってスウェーデン風の試食メニューを振る舞った。

千葉県北西部に都市ガスを供給する京葉ガスも災害備蓄用の食品などの社内で余った食品を寄付する。19年はイベントで余ったビスケット142箱を市川こども食堂ネットワークなどに提供した。オフィス用品販売の大塚商会もパッケージ破損などが原因で返品された商品のほか、賞味期限が近づいた食品や飲料などを福祉施設やNPO団体、フードバンクに寄贈している。

厚生労働省によると子どもの貧困率は13.9%で、7人に1人が貧困状態だ。生まれ育った環境によって子どもの未来が左右されないような地域の実現には、行政だけでなく経済や社会に影響をもたらす企業の力も求められている。

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