日銀総裁「引き続き緩和方向意識」 大規模緩和を維持

2019/12/19 14:30 (2019/12/19 16:23更新)
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日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後に記者会見した。米中対立の緩和に加え、英国の欧州連合(EU)離脱に一定の道筋がつくなどしたことに関し「海外のリスク要因が若干、明るい方向に動いているのは事実だが、全体としてはリスクが高い状況にあり、依然として警戒が必要だ」と指摘した。そのうえで「引き続き緩和方向を意識した政策運営が適当」との認識を示した。

日銀は19日の決定会合で大規模な金融緩和策の現状維持を決めた。短期政策金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融政策を据え置いた。内需の底堅さに加え、足元の金融市場も安定しており、現時点でマイナス金利の深掘りといった追加緩和の必要はないと判断した。

黒田総裁は国内景気の現状について「基調としては緩やかに拡大している」とし、これまでの認識を維持した。金融政策の運営については「2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する」と従来の姿勢を繰り返した。

さらに「物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれが高まる場合にはちゅうちょなく、追加的な金融緩和措置を講じる」とこれまでの姿勢を強調した。

政府の経済対策の効果に関連し「具体的な影響は(2020年)1月の展望リポート(経済・物価情勢の展望)に織り込んでいくことになる」と述べた。「国内需要を下支え、伸びを高める効果がある。生産性向上を通じて持続的な成長につながる」と語った。

一部の銀行が不稼働口座に手数料をかける検討に入ったことに関し「サービスのコストに見合った手数料をとるのは普通のことだが、具体的にどんな形でコストをカバーするのかは個別の経営判断だ」と述べた。そのうえで、マイナス金利の深掘りが依然として追加緩和策の選択肢かとの問いには「その通りだ」と答えた。

国際通貨基金(IMF)が物価安定目標に幅を持たせることなどを提言していることついては「2%の物価安定目標は堅持する必要がある。早期実現に向けて大規模な緩和を粘り強く続ける」と語り、現状での見直しの必要性を否定した。

日銀は19日、保有する上場投資信託(ETF)を市場参加者に一時的に貸し出す制度を導入することも発表した。導入の検討を4月に表明していた。ETFの流動性を高め、日銀の大規模緩和の持続力を高める狙い。

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