マレーシア巨額汚職「ナジブ氏に賄賂」、米SECが認定

2019/12/18 23:57
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【シンガポール=中野貴司】米証券取引委員会(SEC)は18日までに、マレーシアの政府系ファンド「1MDB」から不正に流用された資金の一部が「(マレーシアの)ナジブ(前首相)に賄賂や見返りとして配られた」と認定した。米司法省などはこれまでも「マレーシアの当局者」といった表現で政府高官へ賄賂が渡されたとの認識を示してきたが、米当局がナジブ氏の実名を明記したのは初めてとみられる。

米証券取引委員会はナジブ前首相の実名を挙げて、賄賂を認定した=ロイター

ナジブ氏は1MDB事件に関連し、マレーシア当局からマネーロンダリング(資金洗浄)など42の罪で起訴されている。ナジブ氏は罪を一貫して否認しているが、米当局が実名で賄賂を認定したことで、包囲網はさらに狭まる。

SECは16日、米金融大手ゴールドマン・サックスの元幹部行員、ティム・ライスナー氏が1MDBの汚職に関わったとして証券業界から永久追放すると発表した。それに関連して開示した文書の中で、「1MDBの資金調達に関連して27億ドル(約2950億円)を超える資金が不正流用され、ナジブ(前首相)を含むマレーシアや中東の複数の政府当局者に配られた」と明記した。

具体的な事例として、約130万ドルがナジブ氏の妻であるロスマ夫人の宝石の支払いにあてられたと指摘した。ナジブ氏の側近で1MDB事件を主導した華人系実業家、ジョー・ロー氏が2億ドルを超える資金を引き出したとも認定した。

SECが開示した文書からは、ライスナー氏が1MDBの債券発行で巨額の手数料を得るため、なりふり構わず不正な手段に手を染めていたことも浮かび上がる。ライスナー氏はゴールドマン社内の委員会でジョー・ロー氏が債券発行に関わっているかと問われ、「関わっていない」と嘘をついた。ジョー・ロー氏に取り入るため、ゴールドマンの顧客に迎え入れようとしたが、社内審査で少なくとも3回拒絶されたという。

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