村上春樹氏が24年ぶり朗読会、川上未映子氏と

文化往来
2019/12/18 13:43
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朗読会で話をする川上未映子氏(左)と村上春樹氏=新潮社提供

朗読会で話をする川上未映子氏(左)と村上春樹氏=新潮社提供

作家の村上春樹氏と川上未映子氏の「冬のみみずく朗読会」が17日、東京・新宿駅近くの紀伊国屋サザンシアターで開かれた。村上氏の作家デビュー40周年と、川上氏との対話集「みみずくは黄昏(たそがれ)に飛びたつ」の文庫化を記念するものだ。村上氏の「朗読会」は1995年秋に神戸市と兵庫県芦屋市で開いた「震災チャリティ朗読会」以来、24年ぶりという。当時書店員だった川上氏は「両方に訪れ、サイン会の列にも並んだ」と述べた。

村上氏はまず初期短編「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」を朗読。続いて「(2005年刊行の)『東京奇譚(きたん)集』に収められている『品川猿』の続きが気になって書いた」という未発表作「品川猿の告白」を取り上げた。近く雑誌に掲載される予定で、朗読用に大幅に短縮したという。群馬県のひなびた温泉宿を訪れた語り手が、そこで働く「品川猿」から人間の女性への恋慕にまつわる風変わりな話を聞く。時代がかった猿の言葉を、村上氏が感情を込めて語るたび、会場は笑いに包まれた。

川上氏は15年に刊行され、渡辺淳一文学賞を受賞した「あこがれ」、今年刊行した「夏物語」(毎日出版文学賞)、そして自らが現代語訳した樋口一葉の「たけくらべ」を朗読。「現代語訳はとても楽しい経験でした。いずれは一葉の全作品を訳したい」と語った。途中の編集者の都築響一氏を交えた鼎談(ていだん)では、村上氏は一作書き上げて初めて版元を決めるという話などが紹介された。「かつてはドサッと原稿用紙を渡したものですが、今はUSB一本です」と村上氏。最後はギフトリーディングと題して、村上氏が川上氏の「ヘヴン」を、川上氏が村上氏の「ノルウェイの森」を読んだ。

(中野稔)

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