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天野之弥前IAEA事務局長をしのぶ会 都内で開催

安倍首相「遺志受け継ぐ」

国際原子力機関(IAEA)の第5代事務局長を約10年にわたり務め、2019年7月に任期途中で急逝した天野之弥氏をしのぶ会が17日、東京・内幸町の帝国ホテルで開かれた。会には、親族のほか、日本の政官界関係者、各国外交団、内外の原子力関係者ら約300人が出席し、天野氏の死を悼んだ。

安倍晋三首相はあいさつで、核拡散防止や原子力の平和利用普及への天野氏の貢献について「日本人として本当に誇りに思う」と強調。北朝鮮やイランの核問題を念頭に「世界(情勢)がますます厳しくなる中で、もっともっと天野さんには元気でいていただきたかった」と述べるとともに「病を得てからも全力投球された姿に頭が下がる。この遺志を受け継いでいかなければならない」と語った。

天野氏は外務省入省後、軍縮不拡散・科学部長、在ウィーン国際機関日本政府代表部大使などを経て、2009年に接戦を制して日本人としては初めてIAEA事務局長に選出された。任期中はイランの核開発を凍結する「イラン核合意」の実現で重要な役割を果たしたほか、原子力技術の民生利用を普及させるためのIAEAの体制強化にも尽力した。ただ、3期目の任期途上で体調を崩し、今年7月18日に72歳で亡くなった。

IAEAは10月、天野氏の後任にアルゼンチン出身のラファエル・グロッシ氏を選出した。核査察などを担う重要国際機関であるIAEAのトップは各国が強い関心を寄せているポストの一つ。これまで欧州(ブリクス第3代事務局長=スウェーデン)、アフリカ(エルバラダイ第4代事務局長=エジプト)、アジア(天野氏=日本)というように世界各地域の持ち回りで選出されてきた経緯がある。次にアジア地域に回ってきても日本が再び同ポストを獲得できる保証はない。しのぶ会に出席した天野氏の元側近は「日本が再びIAEA事務局長を出せるのは早くて50年は先となるのではないか」と語っていた。

(編集委員 高坂哲郎)

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