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巨大IT規制案を決定 契約条件開示、国に報告義務

政府、デジタル市場競争会議

政府は17日午前のデジタル市場競争会議で、巨大IT(情報技術)企業による市場の独占を防ぐ規制案を決めた。2020年の通常国会に提出を目指す新法案では取引相手との契約条件の開示や、取引実態を政府に報告するよう義務付ける。巨大ITが個人情報を不当に収集・利用すると独占禁止法違反になるとした公正取引委員会の新たな指針案も了承した。

議長の菅義偉官房長官は会議で「世界的にデジタル市場のルール整備の議論が本格化している。日本として新たなルール整備のあり方を示した」と述べた。

今回決めたのは(1)取引の透明化(2)消費者にも新たに独禁法を適用(3)個人データの保護(4)企業買収の審査の見直し――だ。

取引の透明化は新法「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」で対応する。「GAFA」と呼ばれる米IT企業や楽天、ヤフーなどデジタル市場で独占的な力を持つ国内外のプラットフォーマーを対象とし、政府が取引状況をモニタリングする体制をつくる。

物販のオンラインモールやアプリストアの運営企業が、取引相手の中小企業に不当に不利益を強いる契約を結ぶなどの事例がある。新法では取引相手との契約条件を開示し、契約変更時には事前に通知するよう規定する。

取引先からの苦情に適切に対応する体制の整備も促し、従わない場合は勧告や命令の対象とする。政府はIT企業に定期的な報告を求め、取引相手の事業者からも意見を聞きながら運営状況を検証・公表する。

巨大IT企業が大量に収集・利用する個人データの扱いでも新たなルールを整備する。公正取引委員会は指針を改定し、大手企業がサイトの購買履歴といった個人データを明確な説明なく利用すると「優越的地位の乱用」にあたると規定する。

会議では個人情報保護委員会がまとめた個人データを保護するための個人情報保護法の改正案の概要も了承した。個人が望まないデータ利用の停止を企業に要請できる「利用停止権(使わせない権利)」を導入する。改正案は20年の通常国会での成立を目指す。

公取委による企業買収審査の新たなルールも確認した。デジタル分野では売上高などの市場シェアが小さくても大量のデータがあれば寡占が起きやすい。「買収総額が400億円を超え、国内市場に影響があると見込まれる場合」には公取委への申告を求める。

デジタル市場競争会議は10月から関係省庁が横断的に規制案の検討を進めてきた。デジタル広告市場の競争環境も調査を始めている。20年春をメドに公平な環境を整えるための対応策について中間整理をまとめる。

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