心臓止めずに「僧帽弁」を修復、阪大 患者負担軽減

2019/12/16 15:24
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大阪大学の澤芳樹教授らは16日、心臓の「僧帽弁」が異常になった際に温存して修復する治療において、人工心肺装置を使わない手術が可能になったと発表した。心臓を一時的に止めずに済み、患者の負担軽減や安全性向上につながる。欧州で普及する手術で日本での実施は初めて。12月に2人に手術し、ともに順調に回復しているという。

人工心肺装置を使わずに心臓の僧帽弁を修復する手術を実施したと記者会見で述べる阪大の澤芳樹教授(右)と一例目の患者となった70代男性(12月16日、阪大)

心臓の弁は血液の逆流などを防いでいる。心臓弁膜症の一つである僧帽弁閉鎖不全症は、重症だと心臓の拡大や不整脈、心不全などを起こす。

阪大は傷んだ自分の弁を温存し修復する「僧帽弁形成術」で人工心肺装置を使わない手術を臨床研究として実施した。

左胸を長さ約4センチメートル開き、専用器具を挿入した。患者は僧帽弁を支えるひものような「腱(けん)索」が伸びたり切れたりしているが、器具で糸を通して修復した。

1例目となった大阪府在住の70代男性は記者会見で「心臓を止めずに手術できるので安心感があった」と話した。入院期間は従来の半分の1週間程度で済むという。

人工心肺装置を使う場合、脳梗塞などを合併する恐れがある。僧帽弁閉鎖不全症は従来、心不全症状が進んだ患者が手術対象だった。新しい治療法なら、より早期に治療でき、心不全が重くなるのを防げるとみている。新治療法は最大で年間約1000例の対象患者がいるといわれる。

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