中国、AI監視技術を輸出 人権懸念国など60カ国超 抑圧利用恐れも、米調査

2019/12/16 7:42
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中国企業がウイグル族に対して使っている顔認証など人工知能(AI)を駆使した監視技術を60カ国以上に輸出していることが米シンクタンクなどの調査で15日までに分かった。南米やアフリカの人権侵害が指摘されてきた国も含まれる。国民のデジタル監視を強める中国政府が、巨大経済圏構想「一帯一路」の沿線国へ通信インフラの輸出を進める中、人権抑圧に技術が悪用される恐れがあるとしている。

共同通信も参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した中国当局内部文書などから、中国の大規模監視システムによる少数民族ウイグル族弾圧の実態が判明、国際的な批判を浴びている。中国企業がこうした国内の弾圧を通じ実地実験した技術を海外で普及させている可能性も指摘されている。

米カーネギー国際平和財団の9月の報告書は、中国ハイテク企業から63カ国にAI監視システムが輸出されたと指摘。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)、ウイグル大規模監視に関与したとして米制裁を受けている監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)などが挙げられた。

63カ国にジンバブエ、ベネズエラ、ミャンマー、イランなど人権問題が懸念される国のほか日本、フランス、ドイツが含まれる。うち36カ国が「一帯一路」参加。中国政府が技術導入を奨励、金融支援する場合も多い。

専門家は、監視システム利用国からハイテク企業を通じ中国側にデータが移る危険性を指摘する。米誌などはジンバブエが顔認証データベースの設置を中国側に依頼、国民の生体情報を渡したと報道。ファーウェイの技術者がウガンダで政府批判勢力の監視を直接支援したとも報じられた。

NECなど日本企業や米企業も監視技術を海外に供給。カーネギー国際平和財団は「民主主義国も最先端技術の(不正)利用を統制する十分な手段を講じていない」としている。(共同)

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