東北6県の日銀短観、全産業が悪化 台風19号や消費増税が下押し

2019/12/13 17:58
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日銀仙台支店が13日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、東北6県の企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は全産業がゼロと前回(9月)から4ポイント悪化した。2013年3月以来の低い水準だ。米中貿易摩擦の影響で海外需要が落ち込んでいることが景況感を押し下げた。台風19号や消費増税による駆け込み需要の反動減も影響している。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値。11月13日から12月12日の調査で、回答企業は694社。前回より円安株高に振れている。

製造業は4ポイント悪化してマイナス9だった。米中貿易摩擦や中国経済の減速などを受け、海外需要が落ち込んだ。大きな影響を受けているのが輸送用機械だ。13ポイント悪化のマイナス31だった。海外向け部品輸出の減少が響いた。自動車は新車投入サイクルの谷間にあって生産水準の低下も判断の引き下げにつながった。

非製造業は4ポイント悪化のプラス5だった。東北地方を直撃した台風19号による影響は観光面で大きなダメージとなった。宿泊・飲食サービスは13ポイント悪化し、マイナス20だった。物流の遅れで運輸・郵便も4ポイント悪化した。一方、建設は5ポイント改善してプラス18と、災害復旧の公共工事が押し上げた。

増税前の駆け込み需要の反動減もみられた。百貨店の藤崎(仙台市)は11月に入って高額な冬物コートの売れ行きが落ち込んだ。ただ足元はジャケットや厚手のカーディガンなどが前年を上回るなど持ち直しの動きも出ている。婦人服売り場ではクリスマス商戦を展開し、ギフト需要を狙う。

前回の増税直後の14年6月の調査で小売りは23ポイント悪化したが、今回は6ポイントの悪化にとどまっている。「反動減の影響は小幅だった」(岡本宜樹支店長)。消費マインドに変化はみえないという。

19年度の設備投資計画は全産業で18年度に比べて3.1%減と、大型投資があった前年度の反動減はみられるが横ばい圏内としている。製造業は9月の前回調査から下振れし、中国経済の減速で投資計画を見直す動きが出てきた。非製造業は小売りの新規出店で投資を積み増している。

雇用人員が「過剰」と判断した企業から「不足」の割合を引いた雇用人員判断DIは全産業でマイナス32だった。製造業と非製造業ともに不足感はやや改善しているが、1991年のバブル期以来の深刻な人手不足の状況は続き、人材採用のコストが上昇している。

先行きについては製造業で12ポイント悪化のマイナス4とした。米中摩擦を背景として海外市場の不透明感が依然として強いためだ。非製造業も2ポイント悪化のマイナス4。東日本大震災の復興需要が一巡し、公共投資の規模縮小を見込んでいる建設業の悪化予想が目立った。

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