雇用保険、育休給付を分離へ 厚労省が素案提示

2019/12/13 20:00
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厚生労働省は13日、雇用保険財政の見直しに関する素案を示した。出産後も働く女性が増え給付額が増加している育児休業給付を、失業給付と分けて料率算定することを明記。将来的に雇用保険財政からの切り離しも視野に入れる。暫定的に引き下げている全体の保険料率も引き下げ延長を2021年度までとする。20年の通常国会に関連法の改正案を提出する。

雇用保険は企業と労働者の双方が負担する保険料と、国庫負担が主な財源だ。失業時に一定期間の所得を補償する失業給付のほか、育児休業給付や、労働者の能力開発にあてる給付などが雇用保険から支出されている。

出産をした後も働き続ける女性が増えたことを背景に、育児休業給付は給付額が増え続けている。18年度は17年度比11%増の5312億円だった。一方、失業給付の基本手当は同1%増の5473億円で、19年度には育児休業給付が逆転する見通しだ。政府は男性の育休取得も促しており、雇用保険財政に与える影響はさらに膨らむと想定される。

同日開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、育児休業給付を「失業等給付とは異なる給付体系に明確に位置づけるべきだ」とした。これまで失業給付と一体で管理していたが、20年度から育児休業給付を切り出して収支管理する。

これに伴い保険料率の算定方法を分ける。現在、時限的な引き下げで年収の0.6%になっている保険料のうち0.4%を育児休業給付の料率とし、当面は据え置く。一方、「2年間に限り失業等給付の保険料率の引き下げを継続する」とし、時限的な引き下げ措置は21年度までとした。保険料率が上がって労使の負担が急に増えないように、具体策は引き続き検討する。

雇用情勢など景気に左右されやすい失業給付と、景気の影響を受けにくい育児休業給付を分けることで雇用保険財政を透明化する。将来的には育児休業給付の負担のあり方を見直し、雇用保険財政から切り離すことも視野に入れる。

部会ではこれまでに委員から育児休業給付について、雇用保険ではなく一般財源で確保すべきだといった意見が出た。安心して子どもを産み育てられる環境の整備が国の重要施策に位置づけられるなか、育児休業給付のあり方について中長期的に検討する。

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