設備投資なお堅調 日銀短観、増税の影響見極めに時間

2019/12/13 11:00
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日銀が13日発表した全国企業短期経済観測調査(短観)は焦点だった設備投資がなお堅調であることを示す結果となった。全規模全産業ベースでみると設備投資計画は前回9月調査から上方修正された。設備投資は引き続き弱い外需を補う内需のけん引役となっている。ただ消費増税の影響はじわじわと出てくる見通しで、持続力がカギを握る。

取引先の裾野が広く、経済への波及効果が大きい大企業の2019年度の設備投資計画は製造業が18年度比11.3%増、非製造業が4.3%増だった。前回9月の調査時点から製造業は0.4ポイントの下方修正、非製造業は0.6ポイントの上方修正となった。いずれも00~18年度の平均を上回っており、日銀は「企業は長い目でみた投資を継続している」(幹部)としている。

今回の短観の回答期間は米中貿易戦争の先行き不透明感が強まっていた時期と重なる。このため「景況感の悪化は大前提」(日銀幹部)との見方が多く、むしろこれまで内需を引っ張ってきた設備投資が息切れしていないかが最大の注目点だった。

大企業の設備投資計画は年度後半にかけて下方修正される傾向が強いが、全産業ベースでみると前年度比6.8%増と前回調査から0.2ポイント上方修正された。人手不足に対応した省力化投資や競争力を左右する先端分野の研究開発など待ったなしの投資が多い。景況感の悪化と投資を切り離して考える企業が増えていることを映している。

大企業に中堅、中小企業を加えた「全規模全産業」でも前年度比3.3%増と前回から0.8ポイント上方修正された。海外経済の回復時期が後にずれるなか、設備投資を中心とする内需の持続力が国内景気の頼みの綱だ。市場では「製造業の弱さが目立つなかでも国内経済はなお安定を維持しており、日銀が追加緩和を実施する理由はない」(野村総合研究所の木内登英氏)との見方が多い。

一方、企業が収益計画の前提とする想定為替レートは1ドル=106円90銭で前回(108円50銭)より円高の設定になった。ただ13日の東京外国為替市場では米中摩擦の緩和期待や英下院選挙で与党保守党が議席の過半数をとる見通しと伝わったことで1ドル=109円台半ばまで円安・ドル高が進行。このままの水準が続けば企業業績は上方修正含みとなる。

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