温暖化ガス排出、50年に実質ゼロ EU首脳会議で合意
ポーランド除き

2019/12/13 10:22
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記者会見するミシェルEU大統領(右)とフォンデアライエン欧州委員長(13日、ブリュッセル)

記者会見するミシェルEU大統領(右)とフォンデアライエン欧州委員長(13日、ブリュッセル)

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)は13日未明、2050年までに域内で排出される温暖化ガスを実質ゼロにする目標で合意したと発表した。世界の排出の1割弱を占めるEUが、率先して大胆な目標を採用することで環境関連の産業振興や雇用増につなげ、世界での存在感を高める狙いだ。ただポーランドは現時点では加わらず、20年6月までに再び議論することにした。

12日にブリュッセルで開幕した首脳会議で合意した。記者会見したミシェルEU大統領は「EUは排出を実質ゼロにする世界初の大陸になる」と語った。ポーランドについては「もう少し検討の時間が必要だ」と説明。ポーランドは二酸化炭素(CO2)の排出量が多い化石燃料への依存度が高く、最後まで慎重姿勢を崩さなかったようだ。

50年に排出量を実質ゼロにする目標を巡っては6月や10月のEU首脳会議でも議論したが、ポーランドとハンガリー、チェコなどが反対していた。3カ国は多くのエネルギーを化石燃料に依存しており、50年実質ゼロの実現に動けば石炭などのエネルギー関連の産業が打撃を受け、雇用が失われる警戒感が強かった。

EUはこうした国々に総額1000億ユーロ(約12兆円)の官民の資金を用意し、再生可能エネルギーなどへの転換を支援する仕組みを設けることを決めた。風力や太陽光への転換を促すとともに、新産業を創出したり、石炭産業従事者に職業訓練をしたりして負の面を抑える狙いで、チェコとハンガリーは50年の実質ゼロに同意した。

今回はミシェル氏とフォンデアライエン氏がそれぞれEU大統領、欧州委員長に12月に就任して初の首脳会議。環境政策を最優先課題と位置づけてきた両氏が合意を演出するのを優先した形だ。

スペイン・マドリードでは第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が開催中で、EUは野心的な目標を打ち出すことで、世界の気候変動交渉の主導権を握りたい考えだ。

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