NY連銀、53兆円供給へ 越年の金利高騰を抑制

【ニューヨーク=後藤達也】ニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)は12日、ドルの資金供給を拡充する方針を発表した。年末をまたいで民間に融通する資金は計4900億ドル(約53兆円)となる。米短期金融市場ではドルが不足しており、年末にかけて金利が急騰しやすい状況が続いている。NY連銀は大量に資金を供給することで金利を抑制する。
NY連銀は米連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担当する。12日公表した年末にかけての金融調節では、国債などを担保にした資金供給を拡充した。2週間程度の期間、ドルを融通する手法や、12月31日から1日間だけの供給などを組み合わせる。金額は金融機関の応札次第で増減する可能性もある。
米大手銀行が金融規制に対応するため、余裕資金を手元に抱えたり、FRBに預けたりするのを優先していることが背景にある。短期金融市場にドルが出回りづらく、税納付などで一時的に資金が減ると短期金利が高騰しやすくなっている。9月後半には短期金利が10%に達する場面もあった。
FRBのパウエル議長は11日の記者会見で短期市場の需給逼迫について「対処することが可能だと考えている」と述べた。FRBは臨時措置として連日実施している資金供給を常設化する手法を検討している。金融業界からは大手銀が資金を融通しやすくなるよう、金融規制の見直しを求める声も出ている。
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