ブラジル、4会合連続利下げ 大統領が圧力 強まる通貨安懸念

2019/12/12 21:19
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【サンパウロ=外山尚之】ブラジル中央銀行は11日、4会合連続で政策金利を0.5%引き下げ、過去最低の年4.5%とした。通貨レアルは安値圏にあるが、景気刺激や利払い負担削減を狙うボルソナロ大統領の圧力に中銀が応じた。ブラジル経済は消費主導で緩やかな回復傾向にあり、足元で物価上昇の気配も出ている。米連邦準備理事会(FRB)は金融緩和を休止しており、通貨が不安定な新興国の追加利下げはリスクも伴う。

ブラジルのボルソナロ大統領(左)とゲジス経済相は政策金利の引き下げの必要性を主張する(11日、ブラジリア)=ロイター

ボルソナロ氏は11日、中銀の利下げを受け「我々の歴史で最も低い金利であり、ブラジルの成長を加速させる」とツイッターに投稿した。同氏は金利引き下げに繰り返し言及し、公然と中銀に圧力をかけていた。背景には景気刺激と政府債務の削減、株価の維持という3つの理由がある。

ブラジルの7~9月の国内総生産(GDP)をみると、家計消費は前期比0.8%増と、5四半期連続のプラスを記録した。消費に明るさが戻りつつある。歴史的な低金利を受け、ローンを組んで高額商品を購入する機運が高まっており、追加利下げはこうした流れを加速させる。

政府の調達金利の抑制効果も期待できる。利下げで足元の政府債務の利払いは減少している。経済政策を統括するゲジス経済相によると、20年に960億レアル(約2兆5千億円)の政府債務の削減につながると試算する。

株価にも追い風だ。利下げ観測により主要株価指数のボベスパは9日に11万1453と一時最高値を更新した。ボルソナロ氏の1月の就任前から約20%上昇しており、同氏は株高を自身の成果としてアピールしている。

リスクも伴う。南米各国の政情不安を受け、レアルは11月に過去最安値の落ち込み、中銀は為替介入を実施したばかり。ドルとの金利差縮小によりレアルは再び売られやすくなった。

食料価格や電気料金の上昇により、11月のインフレ率は年率3.27%と、10月から約0.7ポイント上昇した。通貨安はインフレを加速させ、消費に水をさす可能性もある。

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