使用済みMOX燃料、初の取り出しへ 四国電力

2019/12/12 19:37
保存
共有
印刷
その他

四国電力は12日、伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)が26日から定期検査入りし、使用済みとなったウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を取り出すと発表した。MOX燃料が使用済みとなるのは初めてで、四国電は当面、原子炉建屋内のプールで慎重に保管する。未使用の燃料は次回の運転から活用し、プルサーマル発電を継続する。

四国電力伊方原発の3号機(左)(愛媛県伊方町)

MOX燃料は使用済みウラン燃料の再利用で作り出され、これを使った発電を「プルサーマル発電」と呼ぶ。九州電力の玄海原発3号機(佐賀県玄海町)が2009年に国内で初めて実施。伊方3号機は、フランスで製造された燃料21体のうち16体を使って10年に開始した。

原発は13カ月以内の運転後、定検に入るが、これを1サイクルとして、四国電はMOX燃料を3サイクル使う計画を立てていた。東日本大震災後の長期停止を経て、今回で3サイクルを終えることから新燃料に取り換える予定だ。

原子炉から取り出した使用済みMOX燃料は、使用済みウラン燃料と同様に伊方3号機にあるプールで保管する。四国電によると、ウラン燃料と比べて発熱量の減衰がやや遅いが、プールの冷却能力は十分に確保しているという。

四国電は20年3月下旬に伊方3号機の送電を開始する計画で、未使用のMOX燃料5体を使ってプルサーマル発電を継続する。今回も3サイクル活用する方針だ。

四国電はMOX燃料30体分のプルトニウムを主に海外で保管している。これを使って未使用の5体を使った後も、プルサーマル発電を続ける方針だが、燃料の製造時期は決めていない。

四国電に限らずプルサーマル発電を続ける上で、大きな課題が使用済みMOX燃料の搬出先がないことだ。日本原燃がウラン燃料の再処理工場を青森県で建設中だが、MOX燃料は対象外。国内での再処理には別の工場建設が欠かせないが、具体的な計画がないのが現状で、国全体で出口を考える必要がある。

今回の定検では、テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の整備を進めることも、四国電にとって大きなテーマだ。全体の工事計画を5分割し、このうち2つについて原子力規制委員会の認可を受けており、建屋内での工事を進める。これとは別に、アーク放電を速やかに除去して火災を防ぐための工事もする計画で、伊方3号機の安全性の向上に取り組む。(辻征弥)

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]