万博機に環境技術革新 大阪で景気討論会

2019/12/12 20:00
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日本経済新聞社と日本経済研究センターは12日、大阪市内で景気討論会を開き、2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)や関西経済の見通しなどを話し合った。万博を機に世界で関心が高まる環境分野の技術革新を促して新産業を生み出せるとの意見が出た。人口が減るなか、海外からのビジネス客誘致が関西経済の安定成長に欠かせないとの声もあった。

討論する(左から)高崎、杉山、中空、岩田の各氏(12日、大阪市北区)

討論する(左から)高崎、杉山、中空、岩田の各氏(12日、大阪市北区)

大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。BNPパリバ証券の中空麻奈市場調査本部長は「(国連が定めた持続可能な開発目標の)SDGsやESG(環境・社会・企業統治)、気候変動にフォーカスして経済特区になってもいい。例えば自動運転の実験などに取り組めば、大阪に新しい色がつく」と提案した。

自動車業界では、自動運転や電動化など「CASE」と呼ばれる100年に一度の大変革が起きている。環境技術に欠かせない電池は関西が世界リードしてきた。リチウムイオン電池の開発で19年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏(旭化成の名誉フェロー)は京都大学出身だ。日本経済研究センターの岩田一政理事長は「日本の蓄電池は京都から始まった。CASEにも重要だ」と今後の発展に期待を示した。

京大や大阪大学、神戸大学など有力大学が集積するのも関西の強みだ。大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」では、産学官が連携して新産業の創出を目指すイノベーション拠点を整備する。日東電工の高崎秀雄社長は「関西には圧倒的な技術力を持ち、ものづくりで世界をリードするユニークな企業が多い」としたうえで「産学連携の枠組みはできたが、もっとアグレッシブに(取り組む必要がある)」と課題を指摘した。

関西経済の先行きについても議論した。大企業の首都圏への流出などで地盤沈下が続いたが、15年度にインバウンド(訪日外国人)が急増し、息を吹き返した。米中貿易摩擦などで苦戦する製造業が多いなか、インバウンドが景気を下支えする状況が続く。

足元では、日韓の政治問題が響いて韓国からの訪日客が減少している。観光目的の訪日客は各国の政治情勢や景気に左右されやすい。阪急阪神ホールディングスの杉山健博社長は「関西経済が安定的に伸長するにはビジネス目的の訪日客を増やす必要がある」と指摘した。そのためには「インフラの整備が最も大事だ」と強調し、大阪中心部を南北に貫く「なにわ筋線」など鉄道網の整備や、関西国際、大阪国際(伊丹)、神戸の3空港の活用に期待を示した。

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