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「男女平等競技の先駆け」 IOC改革、普及に追い風
国際スポーツクライミング連盟会長に聞く

Tokyo2020
2019/12/13 3:00
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東京五輪の追加競技に採用されたスポーツクライミング。2007年に国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が設立されて以降、競技はスピード出世を遂げた。イタリア人のマルコ・スコラリスIFSC会長に準備状況などを聞いた。

(聞き手は西堀卓司)

国際スポーツクライミング連盟 マルコ・スコラリス会長

国際スポーツクライミング連盟 マルコ・スコラリス会長

東京ではスケートボードやサーフィンといった若年層に人気の競技とともに海浜の「アーバンクラスター」で行われる。

「『スポーツ・フォー・オール』という言葉を体現する存在だと自負している。健常者のみならず障害者を受け入れる素地もあり、全ての階層が参加できる。若い世代に何かを伝えることができればうれしいが、同時に高年齢層を無視することもない。新スポーツと伝統競技の架け橋のような存在ではないかと思う」

12年ロンドン五輪での新競技入りを目指したが一度は失敗。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)が男女平等の推進や若者との交流を盛り込んだ改革案「アジェンダ2020」を14年に採択し、風向きの変化を感じたという。

「この頃スポーツクライミングが五輪に入ると信じていた人は少数だった。しかし五輪ファミリーにも五輪が別世界ではなく近くのものだと知らせなければと危機感があったと思う。最初の国際大会を開いた1985年から賞金は男女同額で、アスリート委員から入る役員も男女1人ずつと定款に明記されている。こうした点は他競技の国際連盟に進む道の一つを示しているかもしれない」

東京五輪では「ボルダリング」「リード」と特性が異なる「スピード」を一緒にした「複合」で行われることになった。

「当時、日本選手の顔を覆うような表情を思い出す。スピードの経験がある選手はいなかったわけだから。しかし目的はメダル(種目)を増やしていくことだと説明した。1種目を置き去りにはできない。24年パリ五輪の大会組織委員会は東京での評価を前提に(スピードとボルダリング・リードを切り離す)2種目となることを承認してくれた。そのためにも東京での成功は大切だ」

五輪の仲間入りによる好影響は小さくない。

「追加競技入りを目指していたころ、2500万人程度だった愛好者は少なくとも1千万人以上増えた。主催大会は多いときは20カ国以上に生中継され、最近、スピード世界記録が塗り替えられた際はインターネット中継で数百万の視聴者を確認した。アフリカなどメンバーがいなかった国にも競技団体ができ大きなプラスを実感している」

東京五輪では3つの競技形式の順位をかけ算して総合順位を決める。パリ五輪ではシンプルにする構想を持つという。

「検討段階ではあるが、例えばボルダリングは4、5課題を設定し、1度目のトライで完登する『一撃』できればそれぞれ25~20点を与える。すべて一撃すれば100点満点となる計算だ。一方でリードは完登を100点に換算し、高度に応じて点数を割り振れば、簡単にポイント制に移行できるのではないか」

五輪出場枠問題 「解決したい」
 東京五輪については、出場基準を巡って日本協会がIFSCの解釈を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴している。スコラリス会長は「係争中でコメントできないが、問題を解決させ、再び日本を含む各国競技団体と協力し競技の発展に尽力したい」とコメントした。
 日本協会の主張では、当初、IFSCが8月の世界選手権など3つの国際大会で上位に入れば3人以上が五輪代表の前提となる参加資格を獲得できるとの解釈を示したにもかかわらず、後に2人までに変更。このため事前に選手に示していた代表選考ができなくなるとしている。

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