中国に続け 動画通販「ライブコマース」新興4社

CBインサイツ
スタートアップGlobe
コラム(テクノロジー)
2019/12/16 2:00
保存
共有
印刷
その他
ライブコマースの効果もあり、アリババの独身の日の取扱高は今年も過去最高となった

ライブコマースの効果もあり、アリババの独身の日の取扱高は今年も過去最高となった

CBINSIGHTS
 デジタル技術の進展で、消費者の買い物体験は大きく進化してきた。最近、中国などで台頭してきたのが、ライブ動画を見ながら商品を買う「ライブコマース」だ。商品を紹介する担当者とリアルタイムでやり取りでき、消費者はリアル店舗と同じような感覚で買い物ができる。次世代通信規格「5G」時代の電子商取引(EC)としても期待されるライブコマースについて、事業を成功させるポイントや世界の注目スタートアップ企業を紹介する。

小売業界は大きな変化を遂げつつある。

ネット通販の爆発的な増加や、よりデジタル化された買い物体験への移行に合わせて、各社は売り上げを増やし、商圏を世界に広げようと新たな戦略を模索している。

特に海外向けには、消費者体験を強化するために「ライブコマース(ライブストリームショッピング)」の活用に目を向けている。ライブ動画を活用すれば、店内でスタイルや商品を紹介しようとするホストと消費者がリアルタイムでやり取りできる。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

過去最高の取扱高を記録した今年の中国のネット通販セール「独身の日」でライブコマースが果たした役割により、世界の他の地域にとってこの買い物形式の価値が高まっている。化粧品大手の仏ロレアルや米エスティ・ローダー、新興スニーカーの米オールバーズ、米国のタレント、キム・カーダシアンさんなどは自社商品を宣伝・販売するために独身の日の前や最中にライブ動画を配信した。

だが、このトレンドは欧米のネット通販ではまだそれほど普及していない。

米アマゾン・ドット・コムと米ウォルマートは2016年から17年にかけて、商品を購入できるライブ動画番組の配信を始めたが、打ち切っている。アマゾンは19年2月、売り手が無料で動画をストリーム配信し、その動画を自社商品のページに接続できる「アマゾン・ライブ(Amazon Live)」をスタートし、再びこの分野に挑んでいる。

世界の大手ソーシャルプラットフォームの一部は動画やライブ配信などにショッピング機能を追加する方法を探っている。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は一部の動画で買い物ができるようにする方針を明らかにした。本質的には通販サイトというよりも個別の体験を提供している新興ソーシャルコマースを参考にすれば、ライブコマースの活用法をもっと学べるかもしれない。

今回の記事ではCBインサイツの19年の投資データに基づき、ライブコマースを始めるにあたって重要なポイントを示しているソーシャルコマース分野のスタートアップ企業4社を取り上げる。

1.国境を越えて提携する

▽米ショップショップス(ShopShops)
▽資金調達総額(公表ベース):2010万ドル
▽主な投資家:米フォアランナー・ベンチャーズ、米ユニオン・スクエア・ベンチャーズ
 ショップショップスは北米の各都市の店舗から買い物セッションをライブ配信し、米企業と中国の買い物客をつなぐ。視聴者はライブ配信を通じ、現時点では衣料品や美容品などを購入できる。ショップショップスはニューヨーク、ロサンゼルス、北京にオフィスがある。


2.視聴者のことを知る

▽米ドート(Dote)
▽調達総額:1920万ドル
▽主な投資家:米ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ
 米サンフランシスコに拠点を置くドートはソーシャルコマース全体の成長をけん引する「Z世代向けソーシャルショッピングアプリ」を構築するとうたっている。
 このプラットフォームでは様々なショップやブランドの商品を購入できるほか、インフルエンサーによる買い物旅行をドートでシェアする15分間のライブ買い物イベント「ショッピングパーティー」もある。


3.切迫感を演出する

▽米ネットワーク(TheNTWRK)
▽累積調達額:1000万ドル
▽主な投資家:米ライブ・ネーション・エンターテインメント、米フットロッカー、ドレイク(カナダ出身のラッパー)、米ワーナー・ブラザーズ・エンターテインメント
 ロサンゼルスに拠点を置くネットワークはシューズから電子機器に至る限定品や期間限定セールを提供するライブ動画番組でアクセスを稼ぐ。この番組にはプロデューサーのDJキャレド、米プロフットボールNFLのオデル・ベッカム・ジュニア選手、デザイナーのアレキサンダー・ワンなどの著名人が出演することも多い。


4.国際化する

▽バルバル(Bulbul、インド)
▽調達総額:353万ドル
▽主な投資家:レオキャピタル(インド)、セコイア・キャピタル・インディア
 ライブストリーム配信では中国に大半の注目が集まっているが、インドのソーシャルコマース市場は活況に沸いているため、同国のネット通販に参入するチャンスも増えている。
 インド初のライブコマースとされるバルバルは、ファッションや美容、家電、室内装飾など様々なカテゴリーの商品を購入できるライブ動画をインフルエンサーが投稿するプラットフォームだ。
 バルバルはインドにいくつかある新興ソーシャルコマースと同様に、ヒンディー語などの現地語と英語の両方に対応している。

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]