投資減税で成長後押し 与党税制改正大綱が決定

税・予算
2019/12/12 10:04 (2019/12/12 14:47更新)
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自民、公明両党は12日午後、2020年度の与党税制改正大綱を正式に決めた。大企業が事業革新のためにスタートアップに出資した際の優遇税制を創設する。少額投資非課税制度(NISA)は24年に新制度に移行し、積み立て型のつみたてNISAも継続する。企業や個人のためたお金を投資に回すための減税措置を重視し、日本の成長力を底上げする。

2020年度の与党税制改正大綱が正式決定し、記者会見する自民党の甘利税調会長(右)と公明党の西田税調会長(12日、国会内)

2020年度の与党税制改正大綱が正式決定し、記者会見する自民党の甘利税調会長(右)と公明党の西田税調会長(12日、国会内)

自公両党は同日、それぞれ党内の了承手続きを終えた後、与党政策責任者会議で大綱を最終的に決定した。これに先立ち、自民党税制調査会の甘利明会長は12日、党本部で記者団に「長年抱えてきた課題に抜本的に対処しつつ、時代や世界の変化に対応できる結論を出した」と述べた。

大綱には、経済協力開発機構(OECD)で議論が進む国際課税ルールの見直しに日本政府が積極関与することを盛り込んだ。「国家の基盤に関わる課題」と明記した。甘利氏は「デジタル経済に税制が対応できていない」と話した。

大企業が設立10年未満の非上場企業に1億円以上出資した場合、出資額の25%相当を所得金額から差し引いて税負担を軽くする「オープンイノベーション促進税制」を新設する。国内の事業会社などの出資が対象だ。

大企業が自社にない技術やビジネスモデルを持つスタートアップと協業して新事業に参入するよう、政府・与党として税制で後押しする。

ハイテク分野での米中の覇権争いの激化を踏まえ、経済安全保障の観点を取り入れた税制も設ける。次世代通信規格「5G」で安全性の高い通信網の整備を促す「5G導入促進税制」をつくる。

政府が認定した事業者を対象に、5G基地局への投資額の15%を税額控除する。資産の償却額を増やして税負担を減らす特別償却30%といずれかを選ぶしくみだ。

収益が伸びているにもかかわらず設備投資に消極的な企業を対象に、税優遇の適用を厳しくする。現在は研究開発の取り組みなどで設備投資額が減価償却費の1割以下なら税優遇を受けられなくなる。この基準を3割以下に引き上げ、企業の積極投資を促す。

個人の投資を促す税制措置も講じる。年120万円を上限に運用益が5年間非課税になるNISAを24年に「新NISA」に刷新する。

低リスクの投資信託などに対象を絞った年20万円の積立枠と、上場株式などにも投資できる年102万円の枠の2階建てにする。新たな積立枠への投資は、非課税期間が切れた後、年40万円を上限に運用益が20年間非課税になる「つみたてNISA」に移行できる。

税制上の対応をそろえる措置もとる。配偶者と離婚・死別した人に加え、未婚のひとり親に既存の寡婦(夫)控除を適用する。寡婦控除は男性にある年収678万円以下の所得制限を女性にも設ける。

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