環境金融の重要性訴え、小泉環境相がCOP25関連会合で
【マドリード=安倍大資】マドリードで開かれている第25回気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)で11日、脱炭素社会に向けて先進的に取り組む有志国連合「炭素中立性連合」が温暖化対策の加速を訴えた。各国の閣僚級が出席し、日本の小泉進次郎環境相は環境金融や自治体の取り組みをアピールした。

同連合は脱炭素社会の実現に向けて取り組む国々の集まりで、2017年に発足した。日本は今年9月に加わり、COP25期間中のイベントで初めて参加した。
小泉環境相は環境金融の重要性を訴えた。「脱炭素に向けてグリーンファイナンスが重要な役割を担う。(気候変動に関する分析・情報開示を企業に求める)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の賛同企業数は世界1位だ」とアピールした。
また、地方自治体の役割の重要性についても言及。「実質排出ゼロを宣言した自治体の人口は4500万人となり(COP25の開催国の)スペインの4700万人に迫った」と紹介した。
炭素中立性連合はドイツやフランス、イタリアなどの欧州勢やマーシャル諸島などの島しょ国など約30カ国が加盟している。約100の都市や企業も加わり、脱炭素に向けた取り組みを共有する定期的な会合を開いている。
小泉環境相は11日の演説で、温暖化ガス排出量の多い石炭火力発電所について廃止などに言及しなかった。現状の削減目標の上積みも表明せず、一部で不満の声が出た。同連合への参加はこうした批判をかわす狙いがあるとみられる。