神戸の高1飛び降り「教諭が自殺決意へ追い込んだ」
第三者委報告書、2日で16時間別室指導
(更新)
神戸市立六甲アイランド高で2017年12月に当時1年の男子生徒(18)が校舎から飛び降りて重傷を負った問題の経緯を調べていた第三者委員会は11日、「教諭から2日間で計約16時間の別室指導を受け、退学があり得ると思わせる不適切な発言があった。自殺を決意するほど追い込まれた」とする報告書を市教育委員会に提出した。

報告書などによると、生徒は同級生を動物に例える悪口を言ったことなどについて、学年の指導担当の教諭らから2日間、激しい口調で指導を受けた。
その中で「年次指導で終わらない」と謹慎などの処分を含む特別指導への発展を示唆する発言が繰り返され、生徒は退学を示唆していると受け取った。長時間指導で学習する権利が侵害され、不適切な指導だったと結論付けた。
生徒は指導の2日目、教諭が部屋を離れた隙に校舎5階から飛び降りた。生徒の代理人弁護士によると、歩行障害が残っており、別の高校に転校した。
第三者委は、本人がいじめの加害者という認識が不十分なまま一方的に指導することはトラウマ(心的外傷)になりかねないと指摘。「個人の尊厳の観点から16時間の別室指導が必要だったとは考えにくい。指導を超えた一種のハラスメントと解釈できる」としている。
生徒は11日、弁護士を通じ「僕がうそをついていなかったと分かってもらえた。建築士になる夢を諦めなければならなかった。同じ被害が出ないようにしてほしい」とのコメントを出した。
生徒側から調査の要望を受けた神戸市や市教委が第三者委を設置していた。長田淳教育長は「再発防止に努める」と話している。〔共同〕