ファンケル創業者の池森氏、年末に会長退任
キリンHDと提携 一線を退く

化粧品や健康食品製造のファンケルは11日、創業者で代表権を持つ池森賢二会長(82)が12月31日付で退任し、2020年1月1日付で名誉相談役になると発表した。ファンケルは9月に池森氏と親族、資産管理会社が持つ33%の株式をキリンホールディングス(HD)に1293億円で譲渡し、同社の持ち分法適用会社になった。経営再建にもメドをつけたことから一線を退く。
ファンケルの会長職は空席となる。池森氏は今後、スタートアップ企業やひとり親家庭の子どもの支援に取り組む。
1980年に池森氏が個人で創業し、81年に設立したファンケルは化粧品に続き、94年から健康食品の展開を始めた。一代で年間売上高1千億円規模の企業に成長させた。2003年に66歳で社長を退任したが、業績の悪化に伴い、13年に代表権を持つ会長に復帰した。訪日客需要も追い風に業績は急回復した。
キリンHDとの資本業務提携を発表した8月の記者会見では、自身の高齢も理由に挙げ「元気なうちに最良な道筋をつけることが私の役割だ」と話していた。