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中村医師の告別式、参列者に深い悲しみ 福岡

アフガニスタンで殺害された福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師、中村哲さん(73)の葬儀が11日午後1時すぎ、同市中央区の斎場で営まれた。1300人を超える人々が参列。アフガンの支援活動に尽くし、志半ばで凶弾に倒れた中村さんの冥福を祈った。

中村医師の葬儀で祭壇に置かれた遺影と遺体が納められたひつぎ(11日、福岡市)

祭壇には白い菊に囲まれた中村さんの遺影が飾られ、棺にはアフガンの国旗がかけられた。会場内には全国の支援者らから届いた花が供えられた。1分間の黙とう後、中村さんのこれまでの活動をまとめた映像が女優の吉永小百合さんのナレーションとともに約10分間流された。

「今の私には先生の死を受け入れる余裕はありません」。葬儀委員長でペシャワール会の村上優会長は追悼の辞で「先生は35年間、アフガニスタンや日本の膨大な人々の心の支えとして実りのある事業を完成させた。私たちの心の中で生きる先生の意志を守り、事業継続に全力を挙げる」と力を込めた。

中村医師の葬儀で出棺される遺体が納められたひつぎ(11日、福岡市)

中村さんの長男、健さん(36)は遺族代表として「父の活動に賛同し、支援していただいているアフガニスタンや日本の皆様には、どんなに感謝しても足りません」とあいさつした。

参列者の献花が始まると、会場には中村さんが好きだったモーツァルトの楽曲が流れた。同会の広報担当理事、福元満治さん(71)は「現地での唯一の楽しみがクラシックだった。安らかな気持ちになってほしい」と中村さんの死を悼んだ。

多くの参列者に見送られ、出棺される中村医師の遺体を乗せた車両(11日、福岡市)

斎場周辺には200人超が集まり、歩道には人があふれた。葬儀が終わった午後3時20分ごろ、中村さんの棺を載せた車が火葬場に向け出発すると、大きな拍手とともに「ありがとう」「お疲れさま」との声が次々と上がった。

中村哲さんに最後の別れを伝えに来た参列者からは悼む声が上がった。

「なぜまたこんなことが起こってしまうのか」。2008年にアフガニスタンで拉致されて遺体で発見されたペシャワール会のスタッフ、伊藤和也さん(当時31)の父、正之さんは「悔しいし悲しいし怒りを強く感じる」と語気を強めた。

出棺される中村医師の遺体を乗せた車両を見送る参列者(11日、福岡市)

中村さんとは和也さんが亡くなったことがきっかけで創設した基金を用いたアフガンでの支援活動について、相談を重ねていたという。「今後もペシャワール会と一緒に続けていきたい。現地の人にも今までのことが無駄にならないようにしてほしい」と語った。

中村さんと同様にアフガンで支援活動を続けてきた同国出身の医師、レシャード・カレッドさん(69)は「アフガン人以上に活躍し、寄り添っていた。アフガン人として本当に申し訳なくて仕方ない気持ちだ」と言葉すくなだった。中村さんと60年来親交のある牧師の藤井健児さん(88)は「本当に心優しい子で、信じられない。今でも声が聞こえるような気がする」と肩を落とした。

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