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水樹奈々 使うたびに初心に帰れるクッキングボウル

声優としてもアーティストとしても活躍する水樹奈々さんが持ってきたモノは、ファーストアルバムがきっかけで今も使い続けているというカラフルなクッキングボウルだった

「声優アーティスト」というジャンルを開拓し、けん引し続ける水樹奈々さん。小柄な体からは想像もつかないほどのパワフルな歌唱やライブパフォーマンスは、同業者であるアーティストも驚くほど。そんな彼女が大切にしているというのが「朝食」だ。取材日も朝にパンケーキを焼いてきた彼女が持ってきてくれたのは、18年間使い続けているというカラフルなクッキングボウルだった。

◇  ◇  ◇

水樹さんが手にしているボウルは、ファーストアルバムの撮影で使用した小道具。撮影終了後に持って帰って使ってもいいよといわれ、「ルンルン気分で帰宅した」と笑う

このクッキングボウルは、もともとファーストアルバム『supersonic girl』の撮影で使った小道具なんです。撮影用に購入したものの、スタッフさんは誰も使わない。「持って帰って使っていいよ」と言われたときは、すごくうれしかったですね。

デビューして間もないころは、まだお仕事も少なくアルバイトメインの「極貧生活」(笑)。こんなカラフルでかわいいキッチングッズを、買う余裕なんてありませんでした。ボウルを片手に、ルンルン気分で帰宅したのをよく覚えています。

あれから18年、その間にたくさん引っ越しもしましたけど、このボウルはずっと現役。よく見ると使い込んだゆえの傷があちこちに。よくぞ耐えてくれているなと思います(笑)。でも、もともととても物持ちが良いタイプなので新調したいとは思いません。祖母や母から「ものを大事に使いなさい」と言われ続けた教えが身についているんだと思います。

忙しくても朝食だけは手を抜かない

今朝もこのボウルでパンケーキを作って食べてきました。普段はご飯と焼き魚、あえ物や味噌汁など和食が中心ですが、今朝はいつもより朝の時間をゆっくり使えたので気分を変えてみようと。お天気も良くて気持ちのいい朝だから、ちょっとおしゃれな朝食を食べてみようかなと(笑)。

私は食べることが大好きですし、「食べることは生きること」だと思っているので、1日の活力源である朝食を大事にしていて。お仕事が忙しくなると、食事時間を切り詰めることが多くなり、パパっと短時間で済ませられる麺類や、移動の合間におにぎりをかじったりするだけになることも増えてしまいます。炭水化物ばかりで栄養バランスも悪いですし、なにより心が寂しくなる。だから、せめて朝食だけは手作りして、自分の体と心にいいものを与えたいんです。

とはいえ、朝の時間ってとても貴重ですよね。炊飯器の高速炊きスイッチを入れて、ご飯が炊きあがるまでの29分が勝負(笑)。その間に、野菜をたくさん取れるお味噌汁やサラダ、あえ物を作ったり、フレッシュなフルーツを取ったりすることも多いんですが、そんなとき、このボウルが大活躍。それに、このボウルを手に取ると、デビュー当時の初々しい気持ちがよみがえる。朝食作りにこのボウルを使うことで、その日のお仕事にわくわくした気持ちで臨めるんです。

ファーストアルバム発売から18年。このクッキングボウルは今も使い続けている。取材当日も、朝、このボウルを使ってパンケーキを作ってきたという

リラックマのシャープペンシルが扉を開く鍵

このボウルのように、大事に使い続けているものは、他にもあります。例えば作詞に使うリラックマのシャープペンシルは、15年前に原宿のキデイランドで、400円で買ったもの(笑)。ライブ前に気合を入れるために鳴らす鈴は15年前に先輩からいただいたもので、今もその鈴を鳴らしてからステージに立っています。

3年ぶりのアルバム「CANNONBALL RUNNING」の楽曲制作も、いつものようにリラックマのシャープペンシルが私の創作を助けてくれました。あのシャープペンシルが手元にないときは、絶対に作詞をしないと決めています(笑)。パソコンやスマホのほうが便利だと思いますが、作詞はやっぱり手書きがよくて。曲をいただいて、それを聴きながら自分の中から出てきた言葉を改めて書くことで、体に染み込むというか。肌になじむような感覚があるんです。

手書きすることで、何を発したいのか表現したいのかが明確になり、自然と導かれる気がする。不思議ですよね。もしかすると、ある種のゲン担ぎのようなものかもしれません。シャープペンシルが作詞の扉を開く鍵というか、スイッチが入るのは確かですね。

家庭では「ものを大事に使いなさい」といわれて育ったという水樹さん。ニューアルバム「CANNONBALL RUNNING」の楽曲制作でも15年間使い続けているリラックマのシャープペンシルが活躍した

20周年を駆け抜ける

新アルバムで「マーガレット」というウエディングソングにも挑戦しました。ここ数年、ファンの方から私がきっかけで出会い、結婚したというハッピーな報告をたくさんいただくようになって。そんなみなさんを祝福する曲を書きたいと思ったんです。サウンドもアコースティックでシンプルな仕上がりで、これも私にとっては新感覚でした。

今年の3月、1つの楽器と私の歌だけでセッションするという実験的な「ナナラボ」というライブを経験したことが、とても大きな刺激になって。より表現の幅が広がり、音楽への自由度が増したと感じます。その感覚をフルに生かして制作したのが今回のアルバムです。来年、アーティストデビュー20周年を迎えることもあり、はじめは15曲の予定が制作の終盤になって「20周年の始まりにふさわしく、"ナナ"にこだわって17曲にしよう」とプロデューサーから言われたときは衝撃的でした(笑)。

20周年を迎える2020年は、アルバムのタイトル通り、弾丸のように駆け抜ける予定です(笑)。そのためにも、食と運動で自分の体と心にしっかり向き合い、準備したいと思います!

ニューアルバム「CANNONBALL RUNNING」は12月11日発売。デビュー20周年となる2020年はアルバムのタイトル通り「弾丸のように駆け抜ける予定です」(笑)
水樹奈々
1980年1月21日生まれ、愛媛県出身。1997年に声優デビュー。2000年に歌手としてデビューし、声優アーティストとして歩み始める。2009年12月に「紅白歌合戦」へ初出場。2020年はアーティストデビュー20周年を迎える。2020年3月28日、地元・愛媛県武道館を皮切りに全国ツアーを開催する。同年11月には、キャロル・キングを演じる主演ミュージカル「Beautiful」の再演も決定している。

「CANNONBALL RUNNING」

「CANNONBALL RUNNING」(KICS-3884、3000円+税)

前作から3年ぶりとなる13枚目のオリジナルアルバム。自らが出演するアニメのオープニングテーマ『METANOIA』などのタイアップソングを含む全17曲。ライブの新定番曲になるようにと思いを込めた『UPSETTER』は水樹さん自らが作詞作曲を手掛けた、心励まされるアップチューン。

(文 橘川有子、写真 藤本和史)

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