南極氷河融解の謎に挑む 気候変動影響か、観測開始

2019/12/11 10:03
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【南大洋=共同】南極大陸の昭和基地へ向かっている観測船「しらせ」に乗る第61次南極観測隊は9日(日本時間10日)、気候変動により融解が懸念されている「トッテン氷河」沖合で観測を始めた。氷河が全て解けると、海面が約4メートル上昇するとされる。融解の仕組みを調べ、将来の予想につなげる。

海氷の位置データなどを測る「海氷ブイ」の設置作業をする南極観測船「しらせ」の乗組員(9日、南極海)=共同

観測チームの責任者を務める国立極地研究所の田村岳史准教授(40)によると、トッテン氷河の先端は海上に張り出した状態で、その下に比較的暖かい海水が流れ込むことで、解けているとみられる。しかし、これまでは観測が十分には進んでおらず、詳しい仕組みは分かっていない。

一連の観測では、多数の地点で水温や塩分濃度などの基礎的なデータを収集。これらのデータからいわば海中の「天気図」を描いて海水がどう流れているかをつかむ。

9日深夜に、水温と塩分濃度を沈みながら測っていく「XCTD」と呼ばれる機器を海中に投入。今後は、しらせに搭載するヘリコプターで上空からも機器を投入し、観測を本格化させる。田村さんは「まずは基本的な状況が分からないと何もできない」と話した。

このほか、海氷の位置データなどを測る「海氷ブイ」も氷上に設置した。氷河の融解とは直接関係ないが、海氷によって波がどう打ち消されていくのかを調べる。

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