18年度ゼロ成長に、デフレの影も GDP年次推計

2019/12/10 21:25
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内閣府がまとめた2018年度国民経済計算の年次推計で、物価変動の影響を除いた実質国内総生産(GDP)は前年度比0.3%増にとどまった。総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは0.2%低下し、名目成長率(0.1%)が実質成長率を下回る「名実逆転」が2年ぶりに生じた。19年度に消費増税を控えながら、ほぼゼロ成長でデフレの影もちらつく状況だったようだ。

GDPの年次推計は様々な決算資料など詳細なデータを利用する。例えば個人消費は四半期ごとの速報では91品目しか扱わないのに対し、年次推計は約2千品目が対象で精度が高いとされる。

18年度の実質成長率は0.3%で、11月中旬の速報段階までの0.7%から0.4ポイント下がった。項目別にみると個人消費が0.4%増から0.1%増に、設備投資が3.5%増から1.7%増に改定され、民需の停滞ぶりが示された。一方で公共投資は4.0%減から0.6%増への上方修正で、公需頼みの構図が鮮明だ。

個人消費の総額は299兆円にとどまった。消費税率を5%から8%に引き上げる前の13年度の301兆円超のピーク水準は回復できないまま、再増税の19年度を迎えたことになる。

18年度は後半にかけて米中貿易戦争が激化したあおりで、生産の落ち込みも目立ち始めた。この間、政府は月例経済報告などでは内需主導の景気回復が続いていたとの見方を示しているが、GDP年次推計からは日本経済が想定以上に停滞していた可能性も浮かぶ。

GDPデフレーターが前年度比マイナスになると、成長率の名実が逆転する。物価の下押し圧力が強いデフレ経済の象徴で、1998年度から2012年度まで続いた。18年度の改めての名実逆転は景気回復の鈍さにも映る。

内閣府が9日発表した19年7~9月期のGDP改定値は前期比の年率換算で1.8%増だった。ただ増税後の10~12月期は反動の落ち込みもあってマイナス成長に陥る公算が大きい。19年度もならしてみると低成長に終わる懸念は拭えない。

(舘野真治)

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