近づく関税第4弾 米中「合意間近」で膠着

米中衝突
2019/12/10 18:00
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会談にのぞむ米中の首脳ら(6月29日、大阪市)=ロイター

会談にのぞむ米中の首脳ら(6月29日、大阪市)=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米中貿易交渉は膠着状態が続き、15日の関税第4弾の発動期限が近づいている。トランプ米大統領は「最終局面だ」と繰り返すが「第1段階の合意」は当初予定した11月中旬から大きく遅れている。米国側は農産物貿易の数値目標などを要求する一方、中国は制裁関税の大幅撤廃を求め条件闘争が終わっていないとみられる。

ブルームバーグ通信によると、パーデュー米農務長官は9日、対中関税第4弾に関し「トランプ大統領は発動したいとは思わないが、中国側から思いとどまるよう促す動きが必要だ」と指摘した。中国が米国産の大豆や豚肉について追加関税の免除を続けると明らかにしたことをあげ、第4弾は「実行されるとは思わない」との見立てを示した。

ただ、中国のこの発表後に米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は「合意間近ではあるが、現時点で合意に至っていない」と記者団に述べ、交渉が最終局面で膠着していると認めていた。

米中は2018年夏から関税合戦に突入したものの、19年10月には「米国産農産物の輸出拡大などで合意に達した」(トランプ氏)としていた。11月中旬のチリでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせて首脳会談を開き、合意文書に署名する段取りだったが、APEC自体が中止となり宙に浮いている。

12月15日には関税第4弾の残り部分として、スマートフォンやノートパソコンなど約1600億ドル分を新たに制裁対象とする発動を控えており、投資家や企業家の不安が再び強まっている。

両国は11月1日にライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相らが直接会談し、その後は同15日と同25日にも閣僚級で電話会談した。USTRは11月1日の会談について「様々な分野で進展した」との声明を出したものの、その後の電話会談は内容を一切公表せず、協議の難航を示唆している。

米国が求めているのは、農産物や液化天然ガス(LNG)の対中輸出に数値目標を設定することだ。トランプ氏は当初「2年以内に年400億~500億ドル」と輸出量を倍増する高いハードルを掲げた。目標に未達なら再び制裁関税を課されるリスクがあるため、中国は数値目標そのものの設定に極めて慎重だ。

関税撤廃の規模や時期を巡っても対立が続く。米政権は「第4弾の延期だけでなく、9月に発動した第3弾(1100億ドル分)の撤回も検討している」(ホワイトハウス関係者)。ただ、中国は第1弾~第3弾の縮小や撤回も求めているとされ、折り合いがついていないもようだ。

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