英調査機関「今度は外せぬ」 選挙予測、新手法に脚光

英EU離脱
2019/12/10 18:30
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【ロンドン=篠崎健太】世論調査は過去に大きな政治イベントで読みを外し、たびたび批判にさらされてきた。2016年の欧州連合(EU)離脱をめぐる英国民投票では、残留が優勢との調査結果に反して離脱に決まった。同年の米大統領選では劣勢とされたトランプ氏が当選した。「保守党優勢」が予測されている12日投開票の英総選挙では、その精度に改めて関心が集まっている。

ジョンソン首相は保守党からの候補者全員に、当選した場合の新EU離脱案への賛成を誓約させている。保守党が下院の過半数議席を確保して、20年1月末のEU離脱が確実になるか。金融市場からも注目を浴びているのが「MRP」という新しい統計手法に基づく議席数予測だ。

17年の前回総選挙では保守党が過半数を握るとの見立てが大勢を占めるなか、同手法に基づく英ユーガブの調査では議席数が300強にとどまると読み、過半数割れを主要な調査で唯一当てた。ユーガブは今回、11月下旬時点で保守党の議席数を359と過半数を上回るとの予測を示した。最新のデータに基づく新たな推計は日本時間11日午前7時に公表予定だ。

MRPでは数千人程度の一般的な調査よりも多い、数万人から数十万人を対象に質問し、まず回答者の様々な属性と投票行動の関係性を検証する。さらに、それぞれの選挙区にどのような人がいるかという人口分布の特性を各種統計で調べる。両者を総合して、各選挙区の投票行動を推計していく仕組みだ。回答サンプルが少ない選挙区でも動向をより精緻に探れる利点がある。

16年の米大統領選では、全米の総得票数ではヒラリー・クリントン氏がトランプ氏を上回った。一方で、多くの州が採る「勝者総取り」による選挙人の数ではトランプ氏が勝った。州や選挙区など地域分析の甘さへの反省が、新たな調査手法の模索につながっている。

8日付の英日曜紙サンデー・タイムズは約50万人を対象にしたMRPベースの調査で、保守党の議席数を344とする予測を報じた。同じく過半数を確保との見立てだ。ただ調査を担当したデータプラクシスのポール・ヒルダー氏は「選挙戦終盤にこれほど態度未定の有権者が多いのを見たことがない」とも指摘する。最大80~90の選挙区でまだ流動的だという。

ユーガブが5~6日に実施した世論調査では、回答者の約1割が投票先を「分からない」と答えた。態度を決めていない有権者の動きは最終盤のかく乱要因にもなりかねない。連勝で信頼を勝ち取るか、新たな手法の精度が試される。

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