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オリパラ開催地「東京」 独自の文化で魅力発信

Tokyo2020
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2019/12/11 18:00
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音楽に合わせて光るバルーンを手に光のアートを楽しむ(11月16日、東京都港区の増上寺)

音楽に合わせて光るバルーンを手に光のアートを楽しむ(11月16日、東京都港区の増上寺)

五輪・パラリンピックは文化の祭典でもある。開幕まで4年間続く文化プログラムはいよいよ佳境に入る。「文化で成功した」といわれる2012年のロンドン大会のように東京が高評価を得るには何が必要か。アートや演劇など洗練された西洋文化が根付くロンドンとは違い、地域芸能やポップカルチャーなど東京ならではの魅力を世界に届けようとしている。

■地域芸能やポップカルチャー

「ねえママ、あっちもピカピカだよ」――。東京都港区にある徳川家の菩提寺、浄土宗大本山増上寺。11月の土曜の夜に境内が約1千個の光で照らされた。

これは東京都が五輪の機運を醸成するために開いた文化プログラム「TokyoTokyoフェスティバル」の中核事業「スペシャル13」のひとつだ。約1千組の参加者の持つ風船型デバイスが参加者それぞれの位置を検知し、それに応じ何色にも輝く。

企画したのはメディアアーティスト集団のライゾマティクス(東京・渋谷)だ。2016年のリオ五輪閉会式で東京五輪を予告するパフォーマンスを手掛けたことでも知られる。

寒い夜にもかかわらず、会場は子ども連れも多かった。都内の保育園に通う5歳の照屋紺介くんは風船型デバイスに興味津々だ。風船型デバイスを地面に置いてみたり空に向けて高く掲げてみたり、大はしゃぎ。「いっぱいピカピカ光って楽しかった」

20年のオリンピックイヤーに行われる中核事業も多彩だ。約10キロメートルにわたり隅田川を舞台に見立てた音楽イベント「隅田川怒濤(どとう)」が4月にある。6月には7人の建築家らが国立競技場周辺で7つのパビリオンを披露する。

6~9月に予定する「まさゆめ」も注目を集めそうだ。実在の人物の顔を6~7階建てのビルくらいある大きなバルーンにして東京の空に浮かべる。それをスマートフォンで撮影してSNS(交流サイト)で共有すれば、誰もがプログラムの一員になれる。

スポーツの祭典としての五輪は一握りの競技者だけが参加できるのに対し、文化の祭典は誰もが関われる。五輪憲章は選手村の開村期間中に文化プログラムを催すよう義務付けているが、12年のロンドン大会で規模が拡大。より多くの人を五輪に巻き込むため開催都市のプライドをかけたイベントとなりつつある。

■文化の成熟度示す

というのも、過去に開催経験のある成熟都市が再び開催都市になる機会が増えているためだ。初めて開催する新興都市には1964年の東京の新幹線や首都高速道路のように五輪のレガシー(遺産)が明確だ。しかし成熟都市にはインフラが整い「文化の成熟度を示してブランド力を高めることしかない」と文化研究家の太下義之氏は話す。

特に12年のロンドン大会で世界を驚かせたのが文化プログラム「アンリミテッド」だ。車いすの女性が水中でダンスを披露するという誰も見たことのない演出で、障害者による表現の可能性を広げたと称賛された。障害者や移民など少数派をアートや演劇を通じて社会に包み込んできた都市の実力がにじみ出た。

では東京の文化の成熟度を示すものとは何だろうか。太下氏は「高齢者の可能性を広げることではないか」と指摘する。世界の大都市でこれから最も早く高齢化が進むことになる東京が明るい高齢者の未来を提示できれば世界が称賛するレガシーとなる。「CHOJU(長寿)を世界語に」と目指す東京都の小池百合子知事にとっても力の見せどころとなる。

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