ウクライナ東部、年内停戦で合意 ロ独仏と首脳会談

2019/12/10 10:12
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会談を終え記者会見する(左から)ウクライナのゼレンスキー大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、ロシアのプーチン大統領(9日、パリ)=AP

会談を終え記者会見する(左から)ウクライナのゼレンスキー大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、ロシアのプーチン大統領(9日、パリ)=AP

【パリ=石川陽平】ウクライナとロシア、ドイツ、フランスの4カ国は9日、政府軍と親ロシア派武装勢力によるウクライナ東部紛争の解決に向けて首脳会談をパリで開いた。会談後、2019年末までに東部全域で停戦を実現することを盛り込んだ合意文書を発表した。紛争終結へ一定の前進はあったが、ロシアとウクライナの対立点は数多く残り、和平実現へ重い課題を残した。

東部紛争を巡り4カ国首脳会談を開くのは約3年ぶりで、ウクライナで5月に「紛争解決」を掲げたゼレンスキー氏が大統領に就任してから初めて。同氏のほか、プーチン・ロシア大統領とマクロン仏大統領、メルケル独首相が出席した。4カ国首脳会談は2国間の協議や夕食も含めて約8時間に及んだ。

会談後の記者会見で、ゼレンスキー大統領は「和平への大きな一歩だ」と評価した。親ロシア派武装勢力を支援するプーチン大統領も「とても重要な幅広い問題を協議し、そのうちの多くで進展があった」と述べた。4カ国首脳は4カ月以内に再び会談し、協議を続けることになった。

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会談後に発表した合意文書ではまず、停戦と和平への道筋を示した4カ国首脳による15年の「ミンスク合意」を履行することを明記した。さらに東部全域での年内の停戦のほか、すべての捕虜を年内に交換し、20年3月までに新たに3カ所での兵力引き離しで合意することを盛り込んだ。

4カ国首脳会談では戦闘の停止や捕虜交換では進展があったが、和平への具体策では対立が解けなかった。合意文書でも親ロシア派占領地域に与える「特別な地位」や自治権の内容には踏み込まず、「すべての法的問題を調整することに関心を表明した」と指摘するにとどめた。

和平に向けて親ロシア派の占領地域で選挙を早期に実施できるかも不透明だ。ウクライナ側は占領地域とロシアとの国境を自らの管理下に置くことを選挙実施の条件にしているが、プーチン大統領は記者会見で「ミンスク合意」で「選挙実施の翌日から始まる」と明記されていると反発した。

ウクライナの東部紛争は14年2月に親欧米派による政変で親ロシア派のヤヌコビッチ政権が崩壊し、反発した親ロシア派武装勢力が同年4月に蜂起して始まった。ロシアが親ロシア派を支援して泥沼化。国連によると、約1万3千人が死亡した。親ロシア派は東部のドネツク、ルハンスク両州の約3割を実効支配している。

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