いびき軽減や外音カット 旅でも使える快眠グッズ
冬の旅行が快適になる注目アイテム(下)

年末年始の旅行や外出を快適にするアイテムを紹介する特集。第1回「冬の旅にほしくなる 『たためる』高機能ダウン3選」は暖かい海外への旅行などで便利な「たためるダウンジャケット」、第2回「これなら初詣も寒くない ヒーター付き防寒ウエア3選」では寒い場所へ行くときに力を発揮する「ヒーター搭載ウエア」を紹介した。第3回は、移動中やホテルで役立つ「ハイテク快眠グッズ」を取り上げる。新幹線や飛行機の移動中の仮眠に使えて、慣れない旅先での宿泊でも熟睡を促す睡眠ギア。今回は寝つきが悪い人、自他のいびきが気になるという人におすすめの商品をピックアップした。
脳波とAIで睡眠をサポート

「健康志向が高まるにつれ、普段の生活に深く関わる『睡眠の質』の向上に目を向ける方が増えています」と話すのは、国内外の快眠グッズの販売を手がけるウェザリージャパンの貴峰康之氏。近年は多種多様な快眠グッズが登場し、特にセンサーやAIなどのテクノロジーを搭載した「スリープテック」と呼ばれるジャンルが注目されているという。
今回紹介するアイマスク「LUUNA スマートアイマスク」も、光を遮断するだけではなく、脳波センサーを搭載している点が特徴。使用者の脳波をリアルタイムに測定し、脳波に合わせた音楽を流すことで睡眠を促す。自動で選択された音楽のほか、専用のスマートフォンアプリに搭載されているヒーリングミュージックを選択することも可能。また、睡眠時の状態などもアプリ上で閲覧できる。

さらに、AI機能を搭載しており、日常的に使えば使うほど自分に合った音楽を自動で作成、より質の高い睡眠をとることができるという。
また、起床時にも活躍する。設定したアラーム時刻の直前で、睡眠状態がもっとも浅いときに起こしてくれるため、すっきり目覚められるとしている。移動中の仮眠はもとより、毎日の睡眠にも仕事の合間の休憩にも効果を発揮する。
充電式のコードレスという点も使いやすい。1回の充電で約80時間使用でき、年末年始の帰省や旅行、短期の出張に役立つ。
「2018年の販売直後より、継続的に売り上げは好調に推移している」(貴峰氏)。睡眠の質の向上を求めている人や、仮眠をとり仕事の効率を上げたいという人など、主に男性ユーザーに支持されているという。
ノイズだけを軽減する耳栓

睡眠を妨げる原因のひとつは音。寝つきが悪い人は、周囲の話し声はもちろんのこと、ささいな音にも敏感に反応してしまう。そんな周囲の音をシャットアウトするのに効果的なのが耳栓だ。
QuietOnの「QuietOn Sleep」は、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載したデジタル耳栓。耳栓本体のマイクで拾ったノイズを打ち消すための逆位相の音を作り、ノイズを軽減する。さらに、低反発素材を使用した、耳の奥まで入る形状のイヤーピースで、物理的にも周囲のノイズを防ぐ。

また、騒音はカットするが、アナウンスなどは聞こえる構造になっているため、新幹線や飛行機での仮眠に便利。さらに、周囲の音が聞こえるヒアリングモードと、音をシャットアウトするサイレントモードをワンタッチで切り替え可能。睡眠時はもちろん、カフェやオープンスペースで作業に集中したいときなどにもおすすめだ。
完全ワイヤレス設計で、アクティブノイズキャンセリング機能が動作する時間は最大20時間。専用ケースにmicroUSBケーブルを接続して充電する。
「2019年11月に取り扱いを開始し、売り上げは順調に推移している」(QuietOn Sleepを販売するフリーウェイのプロダクトマネージャー、杉山貢一氏)。主な購買層は30~40代の男性。日常の睡眠のほか、通勤電車や飛行機での使用目的で支持を得ているという。
いびきをストップ、アプリで記録

最後に紹介するのは自分のいびきを軽減させるデバイス「スノアサークル イヤホンタイプ」。自身のいびきが周囲に迷惑をかけるのではないかと不安がある人におすすめだ。
基本操作は電源を入れて耳につけるだけ。加速度センサーを搭載しており、睡眠中に起こるいびきを独自の音認識と骨伝導によって正確に捉え、音と振動による54種類の組み合わせの中から、自動で最適なストップ動作を選択。いびきの原因である喉の筋肉のゆるみを引き締め、気道を確保してスムースな呼吸を促すことで、いびきを軽減させる仕組みになっている。

また、スマートフォンと連携し、いびきの回数、いびきを止めた回数、睡眠時間などを記録可能。本体が記録したデータの閲覧、詳細な設定などは専用アプリにて行う。
本体は非常にコンパクトなため持ち運びも便利。自身のいびきが理由で「深夜の高速バスに乗るのが不安」という人や「友人と同室で宿泊することに気が引けて、なかなか旅行に出かけられない」という人に向いているという。
「2017年の発売から、世界38カ国で36万台の売り上げを記録している」(ウェザリージャパンの貴峰氏)。寝室を共にしている夫婦の購入が多い傾向にあるという。
(ライター 津田昌宏、写真 宮前一喜=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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