ロシア疑惑捜査、反トランプの動機なし 内部監察官報告

2019/12/10 5:48
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【ワシントン=中村亮】米司法省の内部監察官は9日、2016年の米大統領選にロシア政府が介入した疑惑の捜査過程を検証した報告書をまとめた。捜査を巡り「政治的偏向や不適切な動機が意思決定に影響した証拠はない」と明記し、捜査当局が大統領当選の妨害を図ったとするトランプ大統領の主張を否定した。一方、米連邦捜査局(FBI)職員による捜査許可資料の改ざんなどをあげ、捜査手続きに不備があったと批判した。

9日、トランプ米大統領はFBIの捜査手続きについて「私が想定できるよりもはるかにひどいことが起きていた」と批判した(ワシントン)=AP

トランプ氏は16年の大統領選中にFBIが自身の選挙陣営にスパイを送り込んだと主張。コミー前FBI長官などが民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官が大統領選で優位になるよう仕組んだと訴えてきた。内部監察官の報告書は捜査について「承認されるだけの目的があった」と指摘した。トランプ氏が主張する民主党とFBIの陰謀論を否定した。

ただ、報告書は捜査過程で不適切な手続きがあったとも指摘した。FBI職員はトランプ陣営顧問の通話の盗聴許可を得るために使った資料を改ざんした。トランプ氏の言動に反発する同職員のメールも見つかった。またFBIは捜査のきっかけの一つとなった資料に信ぴょう性の疑わしい情報が含まれていると把握しながら捜査許可の申請時に指摘を怠っていた。

トランプ氏は9日、ホワイトハウスで「私が想定できるよりもはるかにひどいことが起きていた」と指摘し、FBIの捜査手続きを批判した。FBIの不適切行為を印象づけ、民主党が進める弾劾調査の正当性を傷つける思惑もありそうだ。

バー司法長官は9日の声明で「FBIは(捜査開始を)正当化するには不十分な疑惑をもとに大統領選に関する捜査に着手したことが明確になった」と指摘した。ロシア疑惑捜査を正当だと結論づけた内部監察官に反論したものだ。

バー氏は今回の報告書とは別にロシア疑惑捜査の検証作業を進めている。バー氏が内部監察官と異なり、疑惑捜査がトランプ氏の大統領当選を妨げる政治的意図に基づいていたと結論づける可能性がある。

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