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iPSで視細胞、臨床研究計画を提出 神戸の病院

神戸市立神戸アイセンター病院は9日、他人のiPS細胞から目で光を感じる視細胞を作り、目の難病の患者に移植する臨床研究計画を大阪大学の専門委員会に提出したと発表した。早ければ25日に審査が始まる。阪大専門委が計画を認めれば厚生労働省の専門家会議の審査を経て、2020年夏にも1例目の移植を目指す。

網膜色素変性に対するiPS細胞を使った臨床研究について記者会見する神戸市立神戸アイセンター病院の栗本康夫院長(左)ら

対象は網膜の細胞が痛んで視野が狭くなり失明に近い重度の「網膜色素変性」を発症した20歳以上の患者2人。安全性の確認が目的だが、わずかに明暗がわかる状態に回復すると期待している。

京都大学iPS細胞研究所が作製した他人のiPS細胞を視細胞に育ててシート状にし、神戸アイセンター病院で患者の網膜に移植する。1年間にわたって安全性や有効性を調べる。順調にいけば大日本住友製薬が実用化する。

神戸アイセンター病院の栗本康夫院長は記者会見で「網膜を含む中枢神経の再生は医学研究者と患者の悲願だ。世界初の臨床研究をできるのはうれしい」と話した。

臨床研究に協力する理化学研究所の万代道子副プロジェクトリーダーは「移植した細胞が機能して光がわかるようになればうれしい」と語った。

網膜色素変性は目の網膜で光に反応し、刺激を神経細胞に伝える視細胞が傷む遺伝性の病気だ。3000人に1人が発症し、国内患者数は約4万人。根本的な治療法はない。細胞治療のほか、網膜の役割を果たす電子デバイスの移植や遺伝子治療などが試みられている。

理研と神戸アイセンター病院は視細胞の働きを助ける網膜色素上皮細胞の再生医療の臨床研究も手掛ける。既に5人の「加齢黄斑変性」の患者にiPS細胞から作製した色素上皮細胞を移植。1年の経過観察で安全性を確認した。

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