珠城に品の良い優しさ漂う 宝塚歌劇団月組公演

文化往来
2019/12/13 2:00
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ヘリコプターでデートをする珠城(右)と美園 (C)宝塚歌劇団

ヘリコプターでデートをする珠城(右)と美園 (C)宝塚歌劇団

日本とオーストリアの国交が始まって今年で150年。それを記念して、宝塚歌劇団月組がミュージカル「I AM FROM AUSTRIA」を東京宝塚劇場で上演している。オーストリアの著名歌手のヒット曲で構成された作品を、宝塚歌劇団向けにアレンジした舞台である(潤色・演出は斎藤吉正)。

ウィーン発のミュージカルといえば、日本ではハプスブルク家の最後を描いた「エリザベート」が有名だが、今作の舞台は現代のウィーンのホテルだ。ホテルが舞台のミュージカルには、かつて月組も上演した名作「グランドホテル」があるが、この作品のような死のにおいもない。SNS(交流サイト)を多用する若者が躍動する、明るいムードのラブコメディーである。

老舗の四つ星ホテルの御曹司ジョージ(珠城りょう)とハリウッドスターのエマ(美園さくら)が、徐々に意気投合する恋物語。2人の逃避行を、エマのマネジャーのリチャード(月城かなと)らが追跡する。サッカー選手のパブロ(暁千星)との婚約話など障害もあるが、ジョージもエマも、互いの愛を貫き、故国ウィーンや父母への愛を再確認する。人気ポップスを使ったミュージカルらしい旋律の明確な楽しい音楽にのって、冒頭から群舞が繰り出される。クレーンを使った宙乗りの見せ場もある。

珠城が演じるジョージは、遊び人ながらどこか品が良く、穏やかな優しさを漂わせる。美園の演技は少々オーバーなところが、ハリウッドスターという役に合う。リチャード役の月城は、けがからの復帰作。策を弄する悪役を楽しげに、生き生きと演じている。

同性愛のキャラクターが登場する点も現代的。ウィーンの街中の追跡劇を群舞や群衆の動きで表現していく演出家の手腕と、月組のチームワークに感じ入った。28日まで。

(瀬崎久見子)

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