香港で80万人デモ 抗議半年、「五大要求」迫る

習政権
2019/12/8 22:11
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【香港=木原雄士】香港で8日、市民らによる大規模なデモがあり、主催者発表で80万人(警察発表は18万3千人)が参加した。警察の暴力行為を調べる独立調査委員会の設置など「五大要求」を掲げ、香港政府にすべてを受け入れるよう迫った。大規模デモは9日に抗議活動が本格化してから半年の節目を迎えた。11月の区議会議員選挙で民主派が大勝し、デモが再び勢いづいてきた。

6月以降の大規模デモを主催してきた民主派団体「民間人権陣線(民陣)」が10日の世界人権デーにあわせて呼びかけた。デモ参加者は香港島のビクトリア公園に集まり、行政機関や警察署のある中心部に向かって行進した。繁華街の幹線道路は数時間にわたって多くの人で埋め尽くされた。

一部の若者らは道路を封鎖したり、裁判所の建物に火炎瓶を投げ入れたりした。香港政府は8日夜、声明を出して「放火は重大な犯罪であり、終身刑となる可能性もある」などと警告した。過激なデモを警戒して重装備の警察官が街頭で監視にあたったが、大きな衝突はなかった。

6月以来、平和的なデモに参加し続けている会社員の潘さん(25)は「政府が要求に応えるまでは引き下がらないと示すために参加した。政府は市民を抑圧するのではなく、市民の声を聞くべきだ」と話した。

政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はデモのきっかけになった「逃亡犯条例」改正案を撤回したものの、残りの要求には応じていない。8日のデモ参加者は「五大要求は一つも譲らない」という意味のスローガンを掲げたり、5本の指を突き上げたりして林鄭氏の姿勢を批判した。

約半年間続く抗議活動では若者らと警察の激しい衝突が頻発し、催涙弾や実弾を使う警察の対応が適切かどうか議論になっている。シンクタンクの香港民意研究所が11月下旬に市民を対象に実施した調査では、警察への満足度を示す指数が1997年の中国返還以降で最低だった。

警察はこのところデモ実施を認めず、厳しく取り締まる姿勢を強めていたが、8日のデモは許可した。民主派が圧勝した区議選の結果などを踏まえて判断したとみられる。

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