米イラン、拘束者を相互釈放 トランプ氏が歓迎

2019/12/8 5:43 (2019/12/9 11:06更新)
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【ワシントン=中村亮】米国とイランの両政府は7日、双方が拘束していた一般市民をそれぞれ釈放したと発表した。国交のない両国の外交関係を取り持つスイスが仲介して実現した。トランプ米大統領は声明で「拘束された米国人の解放は政権にとって極めて重要だ」と歓迎したが、米イラン関係が改善に向かうのかどうかは不透明だ。

イランは2016年にスパイ容疑で拘束した米国人の大学院生を釈放した。米メディアによると、同院生は禁錮10年の判決を言い渡されていた。一方で米国はイラン人の科学者を釈放した。制裁に抵触した疑いで18年に拘束したが、米司法省が容疑を全て取り下げた。拘束者の交換はスイスで行われた。

釈放された科学者(右)と握手するイランのザリフ外相(7日、チューリヒ、イラン外相のツイッターから)=AP

釈放された科学者(右)と握手するイランのザリフ外相(7日、チューリヒ、イラン外相のツイッターから)=AP

拘束者の相互釈放は米イランの関係改善の糸口になる可能性がある。ポンペオ米国務長官は7日の声明で拘束者の解放をめぐるイランとの協議について「建設的だった」と評価した。イランのザリフ外相もツイッターで「全ての当事者に感謝したい」と強調し、米国の対応に謝意を示した。

相互釈放は両国の緊張緩和に向けた具体策として、これまで何度も浮上したが実現しなかった。トランプ氏は外交政策の一環で外国政府が拘束する米国人の解放を重視しており、北朝鮮やトルコが拘束していた米国人を解放すると対話に傾いた経緯がある。

ただ米イランの対立は根深い。トランプ政権はイラン核合意から離脱して同国に強力な経済制裁を科している。イランは対抗措置として核合意の義務履行を相次いで停止しており、米政府はイランが核開発に着手すると懸念する。米国防総省の高官はイランの挑発行動が拡大する恐れがあるとして、中東地域への米軍増派を検討する考えを示したばかりだった。

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