匿名の「内密出産」妊婦を受け入れ 熊本・慈恵病院
望まない妊娠、危険な孤立出産防ぐ

2019/12/7 22:59 (2019/12/8 2:14更新)
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妊婦が孤立した状況で出産が迫っている場合などに限り、匿名で出産できる事実上の「内密出産制度」を導入した慈恵病院=共同

妊婦が孤立した状況で出産が迫っている場合などに限り、匿名で出産できる事実上の「内密出産制度」を導入した慈恵病院=共同

親が育てられない乳幼児を匿名でも受け入れる施設「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営している慈恵病院(熊本市)は7日、妊婦が孤立した状況で出産が迫っている場合などに限り、匿名で出産できる事実上の「内密出産制度」を導入したと発表した。同病院によると、現段階で匿名妊婦を受け入れる国内唯一の病院になったという。

望まない妊娠をした女性が匿名で出産できる環境整備を進める。蓮田健副院長はこの日の記者会見で「赤ちゃんの殺人や遺棄が全国であり、これまで匿名出産を断った人の行方が気になる。行政には受け入れ事例を作った上で対応を相談する」との考えを示した。

記者会見する慈恵病院の担当者(7日午後、熊本市)=共同

記者会見する慈恵病院の担当者(7日午後、熊本市)=共同

内密出産制度はドイツで2014年に導入されたが、病院の担当者は今回の場合は行政との協議や法整備を経て実施するわけではないため、正式な制度ではないと説明する。7日夕方時点では、今回の制度で受け入れた妊婦はいない。

導入した制度は、病院の新生児相談室長に身元を明かすのを条件に仮名での出産を認める。妊婦が経済的に苦しい場合、病院が医療費を立て替える。出産した子どもが一定の年齢に達して希望すれば、病院の新生児相談室で親の情報を閲覧できるようにする。ただし、出産が切迫した妊婦が名前を一切明かさない場合でも受け入れることを検討する。

匿名での出産は子どもが出自を知ることができない問題があるため、「ぎりぎりまで実名出産を促す」との方針だ。

同病院は孤立した妊婦の支援策として内密出産の導入を目指し、熊本市と協議を進めてきたが進展が見られず、自宅などでの危険な孤立出産を防ぐために実施を決めた。熊本地方法務局はこれまでに、内密出産が「現行法の解釈で可能」との見解を示している。

〔共同〕

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