欧州、イランに核合意履行を要求 関係各国が次官級会合

イラン緊迫
2019/12/7 3:28
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【ウィーン=細川倫太郎】核合意の当事国であるイランと英国、フランス、ドイツ、中国、ロシアは6日、ウィーンで次官級の会合を開いた。核合意破りを連発するイランに対し、欧州は全面履行に戻るよう強く要求した。だが、欧州はイランが求める経済支援で有効な手立てを打てないままで、崩壊の危機にある核合意維持に向けた具体策は見えない。

核合意の維持に向けイランと英独仏ロ中の代表が協議した(6日、ウィーン)

会合は非公開。終了後、中国代表は記者団に「すべての国が核合意を維持する決意を持っており、この枠組みのなかで問題を解決することで同意した」と話した。英仏独はイランに核合意を順守するよう改めて求めた。

イランは7月から低濃縮ウランの貯蔵量や濃縮度の超過など、核合意の履行義務を段階的に停止している。次回は「第5弾」の措置として国際原子力機関(IAEA)の査察の一部受け入れを停止する可能性も取り沙汰されている。

核合意の規定では当事国が違反と判断すれば「紛争解決手続き」を発動することができる。この手続きは、まず外相協議などで問題解決を目指す。決裂すれば国連安全保障理事会に通知する。安保理の協議結果によっては、武器禁輸などのイランに対する国連制裁が復活する可能性がある。欧州は国連制裁も視野に入れているが、6日の会合では手続きの発動の要求は見送った。

イランは「核合意の順守に戻る準備はある」としているが、その条件として欧州に米国の制裁を埋め合わせる経済支援を要求している。英仏独は6月、イランとの貿易を継続するために「貿易取引支援機関(INSTEX)」の運用を始め、11月末にはオランダやスウェーデンも参加を表明した。しかし、INSTEXで取引できるのは食料品や医薬品に限られ、イランは不満を募らせている。

一方、英仏独は11月末に国連のグテレス事務総長に宛てた書簡で、イランの弾道ミサイルは核兵器が搭載可能で、安保理決議に「矛盾している」と指摘した。これに対し、イランは5日、弾道ミサイルの開発計画は続けると反発した。欧州とイランの亀裂が深まる事態となっており、核合意の先行きは見通せない。

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