OPECと非加盟国、日量50万バレルの減産強化で合意

OPEC
2019/12/6 22:00 (2019/12/7 1:26更新)
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【ウィーン=飛田雅則】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国は6日、ウィーンで開いた「OPECプラス」の会合で、減産規模を2020年3月末まで日量50万バレル拡大することで合意した。協調減産の強化で原油価格の下支えを狙うが、市場需給への影響は限られるとの見方もある。

石油輸出国機構(OPEC)は5日、協調減産の拡大を協議した=AP

石油輸出国機構(OPEC)は5日、協調減産の拡大を協議した=AP

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サウジアラビアやロシアなどOPECプラスの代表国は5日、減産監視委員会を開催し、18年秋の水準と比べた減産量を現行の日量120万バレルから170万バレルに増やす案を各国に提示することで合意した。170万バレルは世界の原油生産の1.7%にあたる。

減産は20年3月末まで続け、その後の枠組みについては同年3月5~6日に会合を開いて協議する見通しだ。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は会合後、「市場の安定のため、協力を続けたい」と語った。

サウジはこれまで割り当てられた減産目標を日量40万バレルほど超過して産油量を減らしてきた。今後もサウジは自主的な減産を続ける方針で、OPECプラスの減産規模は日量210万バレルほどに拡大する見通し。原油価格の押し上げ効果を高める狙いだ。

OPECは5日深夜まで続いた総会で最終合意に達せず、非加盟国を含む6日の拡大会合に決着を持ち越していた。

主要産油国は原油価格を押し上げるため、19年1月から日量120万バレルの減産を続けているが、国際指標の北海ブレント原油先物は足元で1バレル63ドル程度と4月の高値から15%も安い水準にある。

産油国の間では来年にかけて需給が緩み、原油価格がさらに下落しかねないとの懸念が広がっていた。米中貿易摩擦の長期化で世界経済が減速し、船舶や航空機など燃料消費が落ち込む可能性があるためだ。

OPECと非加盟国が減産規模の拡大で合意したと伝わると、北海ブレントは6日に一時、1バレル64ドル台後半と前日比で2%ほど上昇する場面もあった。

ただ減産目標を日量50万バレル拡大しても、需給改善効果は限定的との見方も出ている。サウジは9月に無人機などで石油施設が攻撃され、同月の産油量が日量879万バレルに低下した。10月には989万バレルに回復したが、サウジに割り当てられた産油量の上限(同1031万バレル)を40万バレルほど下回っている。各国が現状の生産ペースを続けても、新目標の達成は可能との見方は強い。

OPECの地盤沈下も進んでいることも、原油価格への影響を限定しそうだ。9月には米国がシェールオイルの増産で石油輸出量が輸入量を上回る「純輸出国」に転じた。米国と同様にOPECの協調減産の枠外にあるブラジルやノルウェーも増産を続けている。

OPEC盟主のサウジは、実力者ムハンマド皇太子の改革の目玉である国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を控えている。他の産油国に減産強化を呼びかけてきた背景には、株価を下支えする思惑もあった。

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