情報管理、ずさんさ浮き彫り 廃棄ハードディスク転売
窃盗容疑で社員を逮捕

2019/12/6 18:02 (2019/12/7 1:28更新)
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個人情報を含む神奈川県の大量の行政データが蓄積されたハードディスク(HD)が転売されたことが6日、明らかになった。HDの廃棄を担う事業者のずさんな管理が浮き彫りになり、県もデータ消去の確認が不十分だったと謝罪した。警視庁捜査3課はHDの廃棄を請け負った会社の社員を窃盗容疑で逮捕した。

同課によると、逮捕したのは情報機器事業のブロードリンク(東京・中央)社員、高橋雄一容疑者(50)=横浜市旭区都岡町。

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逮捕容疑は12月3日、社内の消去室に保管されていたHD12個(時価合計2万4千円相当)を盗んだ疑い。調べに対し、「間違いありません」と容疑を認め、県のHD持ち出しも認めているという。

神奈川県の黒岩祐治知事は6日に記者会見で、「結果として県民に不安を与え、県への信頼を揺るがせた。深くおわびする」と謝罪した。県は今後、重要情報が入った機器の返却時は職員が破壊処理に立ち会う。

県は富士通リース(東京・千代田)からサーバーを借り、今春に交換時期を迎えた。HDを初期化した上で、データ復元できなくする処理のため機器をブロードリンクに引き渡した。

同社などによると、HDには穴を開けるなどの「物理破壊」が必要。作業の前に高橋容疑者が18個を持ち出し、ネットオークションで販売したという。9個は県が回収したが、残る9個は未回収という。

ブロードリンクは処理を委託されたHDをシリアルナンバーで管理。ただ破壊処理されたか確認する仕組みはなく、処理後にまとめてリサイクル業者に売却するため、外部持ち出しにも気付かなかった。

同社担当者は「管理が甘かった。金属探知機の導入など再発防止を徹底したい」と話す。

現時点で18個以外に持ち出し被害は確認されていないが、ブロードリンクにデータ破棄を委託する官公庁や自治体、企業は確認に追われている。

国土交通省は2016~17年度、地方運輸局の端末廃棄などを委託。担当者は「作業は外部委託せざるを得ない。影響は大きい」と戸惑う。防衛省では海上自衛隊がHD処理を委託したが、全てドライバーで穴をあけ破壊してから引き渡した。

菅義偉官房長官は6日の記者会見で「防衛省などで被害があったという報告は受けていない」と説明した。

富士通リースと取引歴がある長野県や栃木県などは、リース品の返却時に適切にデータが確実に消去されたか今後調査を進めるという。

東京都は機密情報の入ったサーバーを廃棄する際、データ消去に職員が立ち会う。小池百合子知事は6日、「委託先の企業に対して、廃棄や管理の厳格化を改めて求める」と述べた。

ブロードリンクと取引がある大手金融機関は契約内容を確認。処理を委託した端末には顧客や機密に関わる情報は入っていなかったが、担当者は「管理体制の検証などが欠かせない」と話した。

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