景気指数、6年半ぶり低水準に 消費増税と台風で
持ち直し、年明け以降との見方

2019/12/6 18:00
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国内景気に急ブレーキがかかっている。内閣府が6日発表した10月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が94.8と6年8カ月ぶりの低水準になった。消費税率の引き上げと大型の台風が重なり、生産や出荷などの指標が軒並み悪化した。同日発表の家計調査では10月の消費支出が前年同月比5.1%減。景気の持ち直しは年明け以降との見方が多く、停滞が長引く恐れがある。

景気の一致指数(2015年=100)の推移から機械的に決まる基調判断は3カ月連続で「悪化」となり、定義上は景気後退の可能性が高いことを示している。前月比のマイナス幅は5.6ポイントで東日本大震災のあった11年3月以来の大きさだ。前回14年4月の増税時(4.8ポイント低下)よりも落ち込みが激しい。

10月は一致指数のもとになる9項目の統計のうち発表済みの7項目すべてが指数の押し下げ要因となった。特に影響が大きかったのは小売販売額や投資財出荷、鉱工業生産などだ。

小売販売額は自動車やホームセンターなどで増税前の駆け込み需要の反動が出ている。台風で店舗を開けなかったり、客数が減ったりしたことも響いた。投資財出荷ではショベル系掘削機械が台風で部品調達に支障を来す事態などが起きた。鉱工業生産は米中貿易戦争を背景とした世界経済の減速も影を落としている。

指数による景気の基調判断は、最も低い「悪化」から当面抜け出せない公算が大きい。10月の指数が大幅に低下したことが、判断の基準となる3カ月平均や7カ月平均の値に響くからだ。悪化より1段階上の「下げ止まり」への上方修正は「早くて20年1月分」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏)との見方が強い。1月分の指数の発表は3月上旬だ。

10月の消費の落ち込みは総務省の家計調査でも鮮明になった。2人以上の世帯の消費支出は物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて5.1%減った。落ち込み幅は前回の消費増税後の14年4月(4.6%減)より大きい。

増税前の1年間の平均の消費支出を100とする指数で一時的なブレを除いて比べると、今年10月は95.6で前回増税時の14年4月は95.3とほぼ変わらない水準だった。今回は増税後に消費が急減しないようキャッシュレス決済でのポイント還元などを実施しているなかで、消費減少の要因分析が非常に重要になっている。

家電やガソリンなどは9月に増税前の駆け込み購入があり、10月の販売は落ち込んだ。さらに消費の基調の弱さを映すのが、買い置きはできない外食の動きだ。

業界団体がまとめた10月の外食売上高は前年同月から2.4%減だった。台風や消費増税の影響で客数が5.4%減った。中でも週末に家族客が集中するファミリーレストランは7.3%減と下げ幅が大きい。軽減税率の対象になった持ち帰りの比率が少ないことも逆風になった。

ただ、11月の月次業績は「ガスト」などのすかいらーくHDが前年同月比プラスに転じるなど、足元には持ち直しの兆しもある。

西村康稔経済財政・再生相は6日の閣議後の記者会見で、台風の影響に言及しつつ「全体として駆け込みの反動は前回ほどではない」と述べた。日本商工会議所の三村明夫会頭も同日の記者会見で「基調的な落ち込みと台風の影響が大きかったのではないか」と分析した。

14年は消費支出が増税2カ月目の5月も8.0%減と落ち込むなど、前年割れが増税後13カ月続いた。今回も足元の消費の基調自体が弱いとすると、持ち直しは遅れかねない。

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