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阪神・高橋、飛躍の期待 「緩い球」覚え投法自在に

プロ野球解説者らの指導欲をそそる若手が、どの球団にも何人かいる。ここを少し手直しすると大飛躍すると思わせる。阪神の2年目左腕、高橋遥人(24)もそのひとり。秋季キャンプで山本昌臨時コーチ(元中日)を、すっかり"とりこ"にした。

"教え魔"たちに目をつけられる投手は「素晴らしい速球を投げるがノーコン」という点で共通している。だが、高橋は最速152キロの速球を投げるが、ノーコンと言われるほど荒れ球ではない。

ただ、右打者の内懐を突く速球で打ち取る快感に酔い、一本調子になる傾向がある。捕手・梅野隆太郎のリードがまた強気。2人の強気が合うといいが、行き違うと別人のような投球になる。「もともと低め球でゴロを打たせるのがうまい投手なのに」と首脳陣をよく嘆かせた。

左腕から150キロ超の速球を投げる高橋は大きな飛躍の可能性を漂わせる

山本昌は右打者への内角攻めの威力を認めながら「逃げる緩い球をモノにして、積極的にまじえるといい」とアドバイスした。"逃げる"という響きはよくないが、緩急まじえないと、強力打線を抑えられない。

高橋もチェンジアップを持ち球にしているが、使いどころが悪く、よく打たれた。強気で鳴る星野仙一がよく言っていたが「緩い球を投げるには勇気がいる」。投げ方に癖が出て、球種を見抜かれることが多い。そこで、シュート回転で右打者の外角へ逃げるスクリューボールの名手だった、同じ左腕の山本昌に"秘球"の伝授を求めた。

ボールの握りや配球を教わるうちに、チェンジアップなどとは異質の緩い系の球を使えるという感触をつかんだ。来春のキャンプは「緩急投法」の完全マスターをテーマに挑む。

入団1年目の2018年は2勝3敗。肩、肘の痛みで出遅れたが、「能見篤史の後継者」と期待された。先発ローテーションに加わった19年は夏場から勝てなくなって3勝9敗。バックの守備の乱れという不運もあったが、配球を読まれ、一本調子になったところを突かれた。

秋季キャンプでは山本昌の明快なコーチぶりに人気が集まり、信奉者が増えた。来春のキャンプにも参加するようだ。チームには専任コーチもいる。西武時代の秋山幸二(元ソフトバンク監督)のように、アドバイス攻めに混乱したケースもある。高橋にはコーチ内容を取捨選択する能力が求められる。

メッセンジャーが引退して、来季の開幕投手は誰かが注目されている。西勇輝が本命だが、矢野燿大監督は「若手が名乗り出よ」と呼び掛けている。緩急自在投法に変身した高橋が手を挙げないだろうか。

(スポーツライター 浜田昭八)

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