「医療×AI」スタートアップに集まるマネー

CBインサイツ
スタートアップGlobe
コラム(テクノロジー)
2019/12/9 2:00
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医療業界で人工知能(AI)を活用するスタートアップ企業による2019年7~9月期の資金調達は、件数・金額とも過去最高に達した。7~9月期に実施した資金調達ラウンドは103件、調達額は16億ドル弱で、CBインサイツの最新の分析によると医療系のスタートアップで最も調達額の多い部門となった。

19年7~9月期の医療AIの資金調達、過去最高に(18年1~3月期から19年7~9月期までの医療AIスタートアップのベンチャーキャピタルからの資金調達件数と調達額)

19年7~9月期の医療AIの資金調達、過去最高に(18年1~3月期から19年7~9月期までの医療AIスタートアップのベンチャーキャピタルからの資金調達件数と調達額)

■バビロンのメガラウンドがけん引

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

7~9月期の資金調達額が最も多かったのは英バビロンヘルス(Babylon Health)だった。同社はサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)、米ミュンヘン再保険/HSBベンチャーズ、「米大手保険会社(センティーンとみられる)」、スウェーデンのキネビック、バミューダのボストーク・ニュー・ベンチャーズなどが参加した「メガラウンド」(1回の調達額が1億ドル以上の資金調達ラウンド)で5億5000万ドルを調達した。

バビロンは英国の国民医療制度(NHS)が使っているチャットボットなど複数のAI医療サービスを開発している。今回調達した資金を使って米国とアジアでの事業を拡大し、さらに多くの症状を診断できるようにする。

■資金調達ラウンド上位5件、医療AIの広範な利用が明らかに

2位から5位には注目の3つの分野を手がける企業が入った。米フリーノム(Freenome)は7月、がんを早期発見できる血液検査の開発をさらに進めるため、1億6000万ドルを調達した。米リカージョン・ファーマシューティカルズ(Recursion Pharmaceuticals)と英ベネボレントAI(BenevolentAI)は新薬を見つけるAIの開発資金としてそれぞれ1億2100万ドル、9000万ドルを調達した。5位はイスラエルのヘルシー・アイ・オー(Healthy.io)で、スマートフォンを活用した尿診断製品の開発で6000万ドルを調達した。

19年7~9月期の医療AIスタートアップの資金調達トップ5

19年7~9月期の医療AIスタートアップの資金調達トップ5

■アンチエイジング医療に注目集まる

7~9月期にはアンチエイジング医療を手がける企業の大型ラウンドも2件あった。英ジュベーネセンス(Juvenescence)と香港のインシリコ・メディシン(Insilico Medicine)はAIを使って新薬候補を特定した上で、バイオテクノロジー企業と提携し新薬の開発に取り組んでいる。両社は加齢に伴う病気を対象にした小分子を開発するため、合弁会社Generait Pharmaceuticalsを設立している。

アンチエイジング医療の研究開発は資金を引き付けている

アンチエイジング医療の研究開発は資金を引き付けている

■次の展開は

19年10~12月期も医療AI企業への出資は堅調だ。医療データプラットフォームの米イノベーサー(Innovaccer)、AIを活用して希少疾患の新たな治療法を見つける英ヒーレックス(Healx)、AIで発作の早期の兆候を検知する米Viz.aiなどが既に5000万ドル以上の資金調達ラウンドに乗り出している。

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